貸倒れと貸倒損失
この講義では、売掛金などの債権が回収不能になったときに行う貸倒れの処理と、貸倒損失の仕訳の基本を学びます。回収できないと判断した時点で、どの勘定科目を使い、借方・貸方にいくら記入するかを、3級の範囲にしぼって整理します。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
売掛金などが回収不能になったときの貸倒損失を仕訳できる。
- 貸倒れが起こる場面を説明できる。
- 貸倒損失の勘定科目の意味を理解できる。
- 回収不能額をもとに金額を正しく仕訳できる。
前提知識
- 売掛金の基本的な意味
- 受取手形の基本的な意味
- 仕訳の借方・貸方の書き方
ひとつ前の講:貸付金と利息の部分回収
要点
- 売掛金などが回収不能になったら、資産を減らし、費用として貸倒損失を計上する。
- 基本の仕訳は、借方が貸倒損失、貸方が回収不能になった債権科目である。
- 金額は回収不能と判断された額そのものを用いる。
- どの債権が回収不能になったのかを見て、貸方の勘定科目を選ぶ。
判断のルール
- 回収不能が確定したら、借方に貸倒損失を記入する。
- 貸方には回収できなくなった売掛金などの債権科目を記入する。
- 金額は回収不能額で一致させる。
- 仕訳では、原因ではなく減少する資産の科目を正しく選ぶ。
例題
例題1例題1 売掛金が回収不能になった場合
得意先に対する売掛金40,000円が、相手先の倒産により回収不能となった。必要な仕訳を示しなさい。
答え借方:貸倒損失 40,000 / 貸方:売掛金 40,000
考え方回収不能になったのは売掛金なので、資産である売掛金を減らします。回収できなくなったことによる費用は貸倒損失で表すため、借方に貸倒損失40,000円、貸方に売掛金40,000円を記入します。
確かめ借方合計40,000円、貸方合計40,000円で一致しています。貸方科目は現金ではなく、減少する債権の売掛金になっているので正しいです。
例題2例題2 受取手形が回収不能になった場合
商品販売代金として保有していた受取手形18,000円が回収不能になった。必要な仕訳を示しなさい。
答え借方:貸倒損失 18,000 / 貸方:受取手形 18,000
考え方回収不能になったのは受取手形です。したがって、減少させる資産は受取手形であり、貸方に受取手形18,000円を記入します。同額を費用の貸倒損失として借方に記入します。
確かめ借方18,000円、貸方18,000円で一致しています。売掛金ではなく、問題文にある受取手形を使えているので正しい仕訳です。
例題3例題3 一部だけ回収不能になった場合
得意先に対する売掛金90,000円のうち、25,000円が回収不能と判明した。必要な仕訳を示しなさい。
答え借方:貸倒損失 25,000 / 貸方:売掛金 25,000
考え方仕訳に使うのは売掛金の総額90,000円ではなく、そのうち回収不能と判明した25,000円です。回収不能額だけを費用にし、同額だけ売掛金を減らします。
確かめ借方25,000円、貸方25,000円で一致しています。90,000円全額を消していない点が重要です。回収不能部分のみを処理しているので正しいです。
よくある間違い
貸倒損失を貸方に書いてしまう。
貸方を現金や当座預金にしてしまう。
回収不能になった債権科目ではなく、売上を取り消してしまう。
問題文の金額を一部だけ使い、回収不能額を誤って計上してしまう。
この講の用語
- 貸倒れかしだおれ
- 売掛金などの債権が、相手先の事情などにより回収できなくなることです。
- 貸倒損失かしだおれそんしつ
- 回収不能になった債権を費用として処理するときに使う勘定科目です。
- 売掛金うりかけきん
- 商品を掛けで販売したときに、後日受け取る権利を表す債権です。
- 受取手形うけとりてがた
- 商品販売などの代金として受け取る手形による債権です。
章立て
- 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
- 0:19中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
- 0:52重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
- 1:26基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
- 1:46判断手順問題を解くときの順番を確認します。
- 2:12例題1基本的な取引を確認します。
- 2:31例題2別の条件で判断を確認します。
- 3:26例題3計算または応用の判断を確認します。
- 4:18よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
- 5:13まとめ重要事項を一枚で整理します。
この講の確認問題
登録は1分・クレジットカード不要。無料のまま練習・暗記カード・模試まで使えます。
