貸倒れ・貸倒引当金会員向け7:49

貸倒引当金の設定

貸倒引当金の設定について、期末の債権残高に設定率をかけて必要額を求め、帳簿に残っている貸倒引当金残高との差額を仕訳する手順を学びます。実績法の範囲にしぼり、3級で必要な考え方と計算の流れを整理します。

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この講で分かるようになること

期末債権残高と設定率から必要額を計算し、差額を仕訳できる。

  • 必要額と差額のちがいを区別できる。
  • 貸倒引当金残高がある場合の増額設定を落ち着いて計算できる。
  • 決算整理仕訳の形を正しく書ける。

前提知識

  • 売掛金や受取手形などの債権の意味
  • 貸倒れの基本的な意味
  • 仕訳の基本ルール

要点

  1. 貸倒引当金は、将来の貸倒れに備えてあらかじめ見積もる金額である。
  2. 必要額は、期末債権残高×設定率で求める。
  3. 仕訳する金額は必要額そのものではなく、必要額と既存残高との差額である。
  4. 設定時の基本仕訳は、借方が貸倒引当金繰入、貸方が貸倒引当金である。

判断のルール

  • 期末債権残高を先に確認してから設定率をかける。
  • 既にある貸倒引当金残高を差し引いて、追加で必要な金額を求める。
  • 差額が増額分なら、借方に貸倒引当金繰入、貸方に貸倒引当金を記入する。
  • 実績法という条件があるときは、問題文の設定率をそのまま使う。

例題

例題1例題1 売掛金だけがある場合

決算日に売掛金残高が200,000円ある。貸倒引当金は実績法により2%を設定する。帳簿上の貸倒引当金残高は1,000円である。必要な決算整理仕訳を示しなさい。

答え(借)貸倒引当金繰入 3,000円 (貸)貸倒引当金 3,000円

考え方必要額は、200,000円×2%=4,000円。すでに貸倒引当金残高が1,000円あるので、追加で必要な金額は4,000円-1,000円=3,000円。したがって、差額の3,000円を設定する仕訳を行う。

確かめ仕訳後の貸倒引当金残高は、1,000円+3,000円=4,000円となり、必要額と一致する。借方・貸方の金額もともに3,000円で一致している。

例題2例題2 売掛金と受取手形を合計する場合

決算日に売掛金120,000円、受取手形80,000円がある。貸倒引当金の設定率は3%である。帳簿上の貸倒引当金残高は2,500円である。必要な決算整理仕訳を示しなさい。

答え(借)貸倒引当金繰入 3,500円 (貸)貸倒引当金 3,500円

考え方期末債権残高は、120,000円+80,000円=200,000円。必要額は、200,000円×3%=6,000円。既存の貸倒引当金残高2,500円を差し引くと、追加設定額は6,000円-2,500円=3,500円となる。

確かめ仕訳後の貸倒引当金残高は、2,500円+3,500円=6,000円で、計算した必要額と一致する。債権は合計してから設定率をかけている点も正しい。

例題3例題3 設定率が小数になる場合

決算日に売掛金350,000円がある。貸倒引当金は実績法により1.2%を設定する。帳簿上の貸倒引当金残高は2,000円である。必要な決算整理仕訳を示しなさい。

答え(借)貸倒引当金繰入 2,200円 (貸)貸倒引当金 2,200円

考え方必要額は、350,000円×1.2%=4,200円。すでに帳簿上に貸倒引当金残高が2,000円あるため、追加で必要なのは4,200円-2,000円=2,200円。よって、その差額を仕訳する。

確かめ仕訳後の貸倒引当金残高は、2,000円+2,200円=4,200円で必要額に一致する。1.2%は0.012として計算でき、350,000円×0.012=4,200円となる。

よくある間違い

必要額をそのまま仕訳してしまい、既存の貸倒引当金残高を引き忘れる。

売掛金などの期末残高ではなく、当期の売上高に設定率をかけてしまう。

借方と貸方を逆にして、貸倒引当金繰入と貸倒引当金の位置を誤る。

設定率を2%なのに0.2%や20%と読み違える。

この講の用語

貸倒引当金かしだおれひきあてきん
売掛金などの債権について、将来回収できなくなる見込みに備えてあらかじめ計上する金額。
実績法じっせきほう
過去の貸倒れの実績などにもとづく設定率を用いて、貸倒引当金の必要額を見積もる方法。
期末債権残高きまつさいけんざんだか
決算日の時点で残っている売掛金や受取手形など、回収すべき金額の残高。
設定率せっていりつ
期末債権残高にかけて貸倒引当金の必要額を見積もるための割合。
貸倒引当金繰入かしだおれひきあてきんくりいれ
貸倒引当金を設定するときに使う費用の勘定科目。

章立て

  1. 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
  2. 0:22中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
  3. 1:18重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
  4. 2:04基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
  5. 2:29判断手順問題を解くときの順番を確認します。
  6. 2:53例題1基本的な取引を確認します。
  7. 3:21例題2別の条件で判断を確認します。
  8. 4:27例題3計算または応用の判断を確認します。
  9. 5:36よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
  10. 6:52まとめ重要事項を一枚で整理します。

この講の確認問題

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