簿記上の取引の意義と種類
日常の出来事と簿記上の取引の違いを学びます。資産・負債・純資産・収益・費用に金額で測定できる変化が生じたかを確認し、記録すべき出来事を判断します。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
出来事が簿記上の取引に該当するかを判断できる。
- 日常用語の取引と簿記上の取引の違いを説明できる。
- 現金が動かなくても簿記上の取引になる例を挙げられる。
- 契約や注文だけでは通常記録しない理由を説明できる。
前提知識
- 資産・負債・純資産・収益・費用の意味を理解していること。
ひとつ前の講:簿記の目的
要点
- 簿記上の取引は、会計要素に金額で測定できる変化を生じさせる出来事です。
- 日常用語の取引と範囲が異なります。
- 現金が動かない掛取引も記録します。
- 災害による資産減少も取引になります。
- 会社との関係、会計要素の変化、金額測定の三点で判断します。
判断のルール
- 会社に関係する出来事だけを対象とする。
- 五つの会計要素のいずれかに変化があるか確認する。
- 変化を合理的な金額で測定できるか確認する。
- 現金の出入りや契約の有無だけで判断しない。
例題
例題1商品の注文
商品100,000円を注文したが、商品は未着で代金支払義務もまだ確定していない。この出来事は簿記上の取引ですか。
答え通常、簿記上の取引ではありません。
考え方会計要素に金額で測定できる変化が生じたかを確認します。
確かめ商品を受け取った時点や支払義務が確定した時点と区別します。
例題2掛売上
商品60,000円を掛けで販売した。現金は動いていない。この出来事は簿記上の取引ですか。
答え簿記上の取引です。
考え方現金が動かなくても、資産と収益に測定可能な変化があります。
確かめ売掛金60,000円と売上60,000円の二つの変化を確認します。
例題3火災による備品の滅失
帳簿価額40,000円の備品が火災で失われた。この出来事は簿記上の取引ですか。
答え簿記上の取引です。
考え方相手方との契約がなくても、会計要素に測定可能な変化があります。
確かめ会社の資産減少を金額で把握できることを確認します。
よくある間違い
現金が動いたときだけ取引と考える。
掛取引や資産の滅失も簿記上の取引です。
契約を結んだ時点ですべて記録する。
会計要素に実際の変化が生じているかを確認します。
会社と無関係な所有者個人の出来事を記録する。
会社に関係する出来事だけが対象です。
金額で測れない評判の向上を直ちに記録する。
合理的に金額測定できない変化は通常記録しません。
この講の用語
- 取引とりひき
- 簿記では、資産・負債・純資産・収益・費用に金額で測定できる変化を生じさせる出来事。
- 交換取引こうかんとりひき
- 資産、負債、純資産の内部で増減し、直接は収益・費用を生じさせない取引。
- 損益取引そんえきとりひき
- 収益または費用が発生する取引。
- 混合取引こんごうとりひき
- 交換取引と損益取引の性質を併せ持つ取引。
章立て
- 0:00導入表紙。親しみやすい日本人女性講師と男性講師が登場し、今回のテーマと到達目標を示す。
- 0:21導入概念導入概念。日常用語の取引と簿記上の取引の違い、簿記上の取引の定義、判断の三つの視点を示す。
- 1:02中心概念中心概念。交換取引と損益取引の基本イメージを図で整理する。
- 1:42重要用語重要用語。混合取引を含めた三分類を短く確認する。
- 2:05基本ルール基本ルール。判断で外さない四つのルールを簡潔に示す。
- 2:35判断手順判断手順。三つの質問を順番どおりたどるフローチャートで示す。
- 2:55例題1 商品の注文例題1。商品の注文は通常は簿記上の取引ではないことを、会計要素の未変化で示す。
- 3:28例題2 掛売上例題2。掛売上は現金が動かなくても簿記上の取引であることを、売掛金と売上の発生で示す。
- 3:54例題3 火災による備品の滅失例題3。火災による備品の滅失も、資産減少と損失の発生により簿記上の取引であることを示す。
- 4:25よくある誤りとまとめ誤りとまとめ。よくある誤り四つと、本講の総まとめを簡潔に置く。
この講の確認問題
登録は1分・クレジットカード不要。無料のまま練習・暗記カード・模試まで使えます。
