貸借平均の原理
一つの仕訳と帳簿全体で借方合計と貸方合計が一致する貸借平均の原理を学びます。単純仕訳と複合仕訳を金額で確認し、検算で発見できる誤りと発見できない誤りを区別します。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
借方合計と貸方合計が一致する理由を説明し、仕訳を検算できる。
- 一つの取引を二面的に記録する理由を説明できる。
- 複数科目を含む仕訳でも両側の合計を比較できる。
- 貸借一致だけでは発見できない誤りを説明できる。
前提知識
- 基本的な仕訳を作り、借方と貸方に勘定科目と金額を記入できること。
ひとつ前の講:仕訳の意義と基本的な作り方
要点
- 複式簿記は一つの取引を二つ以上の側面から同額で記録します。
- そのため借方合計と貸方合計は一致します。
- 複合仕訳は科目数ではなく金額合計を比較します。
- 不一致は記入漏れや金額誤りの手掛かりです。
- 一致していても科目と方向を別に確認します。
判断のルール
- 一つの仕訳では借方合計と貸方合計を一致させる。
- 科目数ではなく金額合計を比較する。
- 不一致なら記入漏れ・桁・合計を確認する。
- 一致後も勘定科目と記入方向を確認する。
例題
例題1単純仕訳の検算
(借)普通預金250,000円/(貸)借入金250,000円を検算しなさい。
答え借方合計250,000円、貸方合計250,000円で一致します。
考え方両側の合計を比較します。
確かめ差額は0円です。
例題2複合仕訳の検算
備品100,000円を購入し、60,000円を現金で支払い、残額を未払金とした仕訳を作って検算しなさい。
答え(借)備品100,000/(貸)現金60,000、未払金40,000。貸借合計は各100,000円です。
考え方借方は100,000円、貸方は60,000円+40,000円です。
確かめ貸方の二科目を合計して借方と比較します。
例題3一致していても誤り
通信費8,000円を現金で支払った取引を、(借)備品8,000/(貸)現金8,000とした。貸借は一致している。この仕訳は正しいですか。
答え誤りです。借方は通信費8,000円です。
考え方貸借一致とは別に、勘定科目が取引事実に合うかを確認します。
確かめ正しい仕訳も貸借各8,000円で一致します。
よくある間違い
借方と貸方の科目数を同じにする。
必要なのは金額合計の一致です。
片側の合計だけを見る。
借方と貸方を別々に合計して比較します。
貸借一致なら必ず正解と考える。
勘定科目や方向の誤りは金額一致だけでは発見できません。
差額を無理に雑費などで埋める。
差額の原因を記入漏れ、桁、金額から調べます。
この講の用語
- 貸借平均の原理たいしゃくへいきんのげんり
- 借方に記録された金額の合計と貸方に記録された金額の合計が常に一致する原理。
- 複式簿記ふくしきぼき
- 一つの取引を二つ以上の側面から同額で記録する方法。
- 複合仕訳ふくごうしわけ
- 借方または貸方に複数の勘定科目を含む仕訳。
- 検算けんざん
- 記録した金額や関係が正しいかを別の方法で確認すること。
章立て
- 0:00導入人物表紙。第9講のタイトルと学習テーマを提示し、二人の講師が登場する導入ページ。
- 0:16導入概念導入概念。一つの取引を二つ以上の側面から同額で記録することと、帳簿全体でも一致することを図解。
- 0:46中心概念中心概念。複数科目でも科目数ではなく金額合計を見ることを強調。
- 1:09重要用語重要用語の整理。4用語を短く分類カードで見せる。
- 1:44基本ルール基本ルール4つを箇条書き風の短いラベルで提示。
- 2:10判断手順判断手順。検算の流れを上から下への明確な一方向で示す。
- 2:33例題1 単純仕訳の検算例題1。単純仕訳の検算をそのまま表示し、合計一致と差額0円を明示。
- 2:58例題2 複合仕訳の検算例題2。複合仕訳の作成と、貸方二科目の合計比較を図で示す。
- 3:29例題3 一致していても誤り例題3。一致していても誤りであることを、誤仕訳と正しい借方科目の対比で示す。
- 4:06よくある誤りとまとめ誤りとまとめ。よくある誤り4つと、本講の結論5点を簡潔に整理。
この講の確認問題
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