買掛金元帳の記入
この講義では、仕入先ごとに買掛金元帳へ記入する目的と方法を学びます。総勘定元帳の買掛金勘定との関係を押さえながら、掛けでの仕入、買掛金の支払い、返品や値引きがあった場合の記入と残高の求め方を確認します。仕入先別の残高を正しく把握できるようになることが目標です。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
仕入先別に買掛金元帳へ記入し、残高を求められる。
- 補助簿としての買掛金元帳の役割を説明できる。
- 仕入先別残高と買掛金勘定の関係を理解できる。
- 買掛金元帳の残高を落ち着いて確認できる。
前提知識
- 掛けによる仕入と買掛金の基本仕訳
- 総勘定元帳の基本的な記入方法
- 借方・貸方の意味と残高の求め方
ひとつ前の講:売掛金元帳の記入
要点
- 買掛金元帳は仕入先別に記入する補助簿である。
- 掛けで仕入れたときは、その仕入先の買掛金元帳の貸方に記入する。
- 買掛金を支払ったときは、その仕入先の買掛金元帳の借方に記入する。
- 返品や値引きで買掛金が減るときも、原則として借方に記入する。
- 各仕入先の残高を合計すると、総勘定元帳の買掛金残高と対応する。
判断のルール
- 買掛金元帳は仕入先ごとに口座を分けて記入する。
- 買掛金が増加する取引は貸方、減少する取引は借方に記入する。
- 記入後は各仕入先ごとの残高を求める。
- 相手科目や摘要は、取引内容が分かるように簡潔に記入する。
- 残高の向きは買掛金の性質に合わせて確認する。
例題
例題1例題1 掛け仕入を記入する
6月5日、甲商店から商品400,000円を掛けで仕入れた。甲商店の買掛金元帳にどのように記入するか。
答え甲商店の買掛金元帳の貸方に400,000円を記入する。相手科目は仕入となる。記入後の残高は、前残高がないなら400,000円である。
考え方掛けで仕入れたときの仕訳は、借方仕入400,000、貸方買掛金400,000である。買掛金は負債なので、増加は貸方に記入する。したがって、甲商店に対する未払い額が増えたので、甲商店口座の貸方へ400,000円を記入する。
確かめ買掛金は増えているので貸方で正しい。借方にしていないかを確認する。前残高が0円なら、貸方400,000円のみなので残高は400,000円となる。
例題2例題2 支払いを記入して残高を求める
乙商店の買掛金元帳の前月繰越残高は250,000円であった。7月10日に乙商店へ買掛金80,000円を現金で支払った。乙商店の買掛金元帳への記入と支払後の残高を求めなさい。
答え乙商店の買掛金元帳の借方に80,000円を記入する。支払後の残高は170,000円である。
考え方前月繰越残高250,000円は未払い額なので、買掛金の残高である。買掛金を支払ったときの仕訳は、借方買掛金80,000、貸方現金80,000である。買掛金は減少するため、乙商店口座の借方に80,000円を記入する。残高は250,000円から80,000円を差し引いて170,000円となる。
確かめ計算は250,000-80,000=170,000で合っている。支払後も未払いが残るので、残高が0円やマイナスになっていないか確認する。
例題3例題3 掛け仕入と返品をまとめて処理する
丙商店の買掛金元帳の前月繰越残高は120,000円であった。8月3日に丙商店から商品90,000円を掛けで仕入れ、8月8日にそのうち20,000円を返品した。丙商店の買掛金元帳への記入と8月8日後の残高を求めなさい。
答え8月3日は貸方に90,000円、8月8日は借方に20,000円を記入する。8月8日後の残高は190,000円である。
考え方前月繰越残高120,000円がある状態で、8月3日の掛け仕入は買掛金の増加なので貸方90,000円を記入する。これで未払い額は210,000円となる。次に、返品20,000円は買掛金の減少なので借方20,000円を記入する。したがって、残高は210,000円-20,000円=190,000円である。仕訳で見ても、8月3日は借方仕入90,000、貸方買掛金90,000、8月8日は借方買掛金20,000、貸方仕入20,000となり整合する。
確かめ増加の90,000円を貸方、減少の20,000円を借方としているか確認する。残高計算は120,000+90,000-20,000=190,000で一致する。
よくある間違い
掛け仕入の記入を借方にしてしまう。
支払いの記入を貸方にしてしまう。
仕入先ごとに分けず、別の仕入先の口座へ記入してしまう。
返品や値引きによる買掛金の減少を見落とす。
残高計算で借方合計と貸方合計の差を逆にしてしまう。
この講の用語
- 買掛金元帳かいかけきんもとちょう
- 仕入先ごとに買掛金の増減と残高を記録する補助簿。
- 補助簿ほじょぼ
- 総勘定元帳だけでは分かりにくい内容を、相手先別などに詳しく記録する帳簿。
- 買掛金かいかけきん
- 商品を掛けで仕入れたときに生じる、後日に支払う義務。
- 残高ざんだか
- ある時点でその口座に残っている金額。買掛金元帳では仕入先ごとの未払い額を表す。
章立て
- 0:00導入表紙。二人の講師が登場し、講義テーマを提示する。
- 0:24買掛金元帳の役割導入概念。買掛金元帳の役割と補助簿としての位置づけを示す。
- 1:17中心概念中心概念。買掛金の増加は貸方、減少は借方であることを図解する。
- 2:00重要用語重要用語。買掛金元帳、補助簿、買掛金、残高を短く整理する。
- 2:21基本ルール基本ルール。仕入先別、増加は貸方、減少は借方、残高確認などを整理する。
- 2:46判断手順判断手順。相手先確認、増減判断、貸借決定、残高確認の流れを示す。
- 3:21例題1 掛仕入を記入例題1。甲商店の掛け仕入400,000円を貸方に記入し、残高400,000円を示す。
- 4:29例題2 支払と残高例題2。乙商店の支払い80,000円を借方に記入し、残高170,000円を計算する。
- 5:40例題3 掛仕入と返品例題3。丙商店の掛け仕入90,000円は貸方、返品20,000円は借方、残高190,000円を示す。
- 7:20よくある誤りとまとめよくある誤りとまとめ。誤記入の注意点と要点を一枚で整理する。
この講の確認問題
登録は1分・クレジットカード不要。無料のまま練習・暗記カード・模試まで使えます。
