売掛金・買掛金・電子記録債権等会員向け6:48

電子記録債権

この講義では、電子記録債権のうち、売掛金から電子記録債権へ振り替える場面と、電子記録債権が決済される場面にしぼって学びます。電子記録債権は、掛け代金の回収方法が変わったことを表す勘定科目です。売掛金のままではなくなったときに振替仕訳を行い、その後、預金口座に入金されたときに決済の仕訳を行います。範囲をしぼって、勘定科目の増減と仕訳の流れを正確に身につけましょう。

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この講で分かるようになること

売掛金から電子記録債権への振替と決済を仕訳できる。

  • 電子記録債権が売掛金の回収手段の変更を表すことを説明できる。
  • 振替時と決済時で使う勘定科目を区別できる。
  • 取引の前後で、売掛金と電子記録債権の残高の動きを確認できる。

前提知識

  • 売掛金の意味と基本的な仕訳
  • 当座預金の入金時の仕訳
  • 借方・貸方の基本ルール

要点

  1. 売掛金が電子記録債権に切り替わったら、売掛金を減らし、電子記録債権を増やす。
  2. 電子記録債権が決済されたら、当座預金などの預金を増やし、電子記録債権を減らす。
  3. 振替は回収そのものではなく、回収方法の変更を表す。
  4. 決済では電子記録債権の残高が消えることを確認する。

判断のルール

  • 売掛金から電子記録債権へ移るときは、借方を電子記録債権、貸方を売掛金とする。
  • 電子記録債権が決済されて口座に入金されたときは、借方を当座預金、貸方を電子記録債権とする。
  • 金額は振替前後で同額とし、回収方法が変わるだけなら損益勘定は使わない。
  • 仕訳後は、売掛金と電子記録債権のどちらに残高があるかを必ず確認する。

例題

例題1例題1 売掛金から電子記録債権への振替

得意先に対する売掛金80,000円について、電子記録債権に切り替えた。仕訳を示しなさい。

答え(借)電子記録債権 80,000 / (貸)売掛金 80,000

考え方売掛金という資産が減少し、電子記録債権という資産が増加します。増加する資産は借方、減少する資産は貸方です。新たな売上ではないため、売上勘定は使いません。

確かめ借方と貸方の金額はともに80,000円で一致しています。仕訳後は売掛金が80,000円減り、電子記録債権が80,000円増えるため、回収方法の変更として整合しています。

例題2例題2 電子記録債権の決済

保有していた電子記録債権120,000円が決済され、当座預金口座に入金された。仕訳を示しなさい。

答え(借)当座預金 120,000 / (貸)電子記録債権 120,000

考え方決済によって実際に預金が増えるので、当座預金を借方に記入します。同時に、回収が終わった電子記録債権は減少するため、貸方に記入します。

確かめ借方と貸方は120,000円で一致しています。決済後は電子記録債権が消え、その分だけ当座預金が増えるので、残高の動きも正しいです。

例題3例題3 振替後に決済された流れ

得意先に対する売掛金45,000円を電子記録債権に切り替え、その後、同額が決済されて当座預金口座に入金された。二つの取引をそれぞれ仕訳しなさい。

答え①(借)電子記録債権 45,000 / (貸)売掛金 45,000 ②(借)当座預金 45,000 / (貸)電子記録債権 45,000

考え方最初の取引は売掛金から電子記録債権への振替です。したがって、電子記録債権が増え、売掛金が減ります。次の取引は電子記録債権の決済です。決済時には当座預金が増え、電子記録債権が減ります。二つの場面を分けて処理することが大切です。

確かめ①は45,000円、②も45,000円でそれぞれ貸借一致しています。二つを通してみると、最終的に売掛金はなくなり、電子記録債権も決済でなくなり、当座預金だけが45,000円増加します。流れとして正しいです。

よくある間違い

売掛金から電子記録債権への振替なのに、売上をもう一度計上してしまう。

振替時の借方・貸方を逆にして、売掛金を増やしてしまう。

決済時に電子記録債権を消し忘れ、当座預金だけを増やしてしまう。

振替と決済を同じ日に起きたと決めつけ、問題文の時点を読まずに一度に処理してしまう。

この講の用語

電子記録債権でんしきろくさいけん
掛け代金などの債権について、記録によって管理される債権を表す勘定科目です。本講では、売掛金から振り替えられたものとして扱います。
売掛金うりかけきん
商品を掛けで売ったときに、あとで受け取る代金を表す勘定科目です。電子記録債権へ切り替わるときは減少します。
振替ふりかえ
同じ性質の代金について、管理方法や回収手段の変更に応じて、ある勘定科目から別の勘定科目へ移す処理です。
決済けっさい
債権や債務が実際に支払いや入金によって消えることです。本講では電子記録債権が預金入金によって消える場面を指します。
当座預金とうざよきん
銀行に預けている預金の一種で、電子記録債権が決済されたときの入金先として使われる勘定科目です。

章立て

  1. 0:00導入表紙。第37講のテーマと二人の講師を見せ、学習範囲をやさしく提示する。
  2. 0:20電子記録債権とは導入概念。電子記録債権は回収方法の変更であり、新しい売上ではないことを示す。
  3. 1:03中心概念中心概念。振替と決済の二段階を明確に対比する。
  4. 1:41重要用語重要用語。5用語を短いラベルで整理する。
  5. 2:03基本ルール基本ルール。借方・貸方の組合せと同額ルール、損益勘定を使わない点を示す。
  6. 2:33判断手順判断手順。問題文の時点を読んで振替か決済かを見分ける流れを示す。
  7. 2:53例題1 売掛金から電子記録債権へ振替例題1。売掛金80,000円を電子記録債権に振り替える仕訳を示す。
  8. 3:48例題2 電子記録債権の決済例題2。電子記録債権120,000円の決済と当座預金への入金を示す。
  9. 4:34例題3 振替後に決済例題3。45,000円の振替と決済を二本に分けて処理する流れを示す。
  10. 5:54よくある誤りとまとめよくある誤りとまとめ。誤答パターンを避け、二段階の整理で締める。

この講の確認問題

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