売掛金・買掛金・電子記録債権等会員向け7:10

電子記録債務

この講義では、電子記録債務について、買掛金から電子記録債務へ振り替える仕訳と、満期日に当座預金などで決済する仕訳にしぼって学びます。電子記録債権の詳しい処理や、ほかの周辺論点には立ち入らず、日商簿記3級の公式範囲に沿って、勘定科目の選び方と借方・貸方の向きを整理します。

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この講で分かるようになること

買掛金から電子記録債務への振替と決済を仕訳できる。

  • 電子記録債務が買掛金と同じく仕入代金の未払に関する負債であると説明できる。
  • 振替時と決済時で使う勘定科目の違いを区別できる。
  • 仕訳後に負債の残高がどう動くかを確認できる。

前提知識

  • 買掛金の基本的な意味
  • 仕入取引の基本仕訳
  • 当座預金の基本的な支払仕訳

要点

  1. 買掛金を電子記録債務に切り替えるときは、買掛金を減らし、電子記録債務を増やす。
  2. 負債を別の負債へ振り替えるだけなので、振替時には費用や収益は生じない。
  3. 満期日に支払って決済するときは、電子記録債務を減らし、当座預金などを減らす。
  4. 振替額と決済額は、特別な指示がない限り同額で処理する。
  5. 借方・貸方の向きは、買掛金の減少は借方、電子記録債務の増加は貸方で判断する。

判断のルール

  • 買掛金から電子記録債務へ振り替える仕訳は、借方:買掛金、貸方:電子記録債務とする。
  • 電子記録債務を支払って決済する仕訳は、借方:電子記録債務、貸方:当座預金とするのが基本である。
  • 同一金額の振替では、振替前後で負債総額は変わらない。
  • 勘定科目は問題文の指示に従うが、本講の基本は買掛金・電子記録債務・当座預金で整理する。

例題

例題1例題1:買掛金を電子記録債務へ振り替える

商品仕入れによって生じていた買掛金80,000円について、電子記録債務に切り替えた。仕訳を示しなさい。

答え借方:買掛金 80,000 貸方:電子記録債務 80,000

考え方この場面は新たな仕入れではなく、既存の負債の種類を変える振替です。買掛金は減少するので借方、電子記録債務は増加するので貸方に記入します。したがって、借方:買掛金80,000、貸方:電子記録債務80,000です。

確かめ借方と貸方の金額はともに80,000円で一致しています。振替前後で負債総額は80,000円のままで、買掛金が減り、電子記録債務が同額増えています。

例題2例題2:電子記録債務を満期日に決済する

電子記録債務45,000円が満期となり、当座預金から支払って決済した。仕訳を示しなさい。

答え借方:電子記録債務 45,000 貸方:当座預金 45,000

考え方満期日に支払っているので、これは決済です。負債である電子記録債務はなくなるため借方、支払に用いた当座預金は減少するため貸方に記入します。したがって、借方:電子記録債務45,000、貸方:当座預金45,000となります。

確かめ借方と貸方の金額は45,000円で一致しています。電子記録債務の残高は45,000円減少し、当座預金も45,000円減少しています。

例題3例題3:振替後に後日決済する一連の確認

買掛金120,000円を電子記録債務へ振り替え、その後、満期日に当座預金で全額を支払った。各時点の仕訳を示しなさい。

答え①振替時 借方:買掛金 120,000 貸方:電子記録債務 120,000 ②決済時 借方:電子記録債務 120,000 貸方:当座預金 120,000

考え方最初は買掛金から電子記録債務への振替なので、買掛金を借方、電子記録債務を貸方にします。次に満期日の支払では、電子記録債務が減少するので借方、当座預金が減少するので貸方にします。2つの場面を分けて考えることがポイントです。

確かめ①は借方・貸方とも120,000円で一致し、負債の内訳だけが変化しています。②も借方・貸方とも120,000円で一致し、電子記録債務が消滅しています。全体として、最終的に買掛金も電子記録債務も残らず、当座預金が120,000円減少しています。

よくある間違い

買掛金から電子記録債務への振替で、借方と貸方を逆にしてしまう。

振替なのに仕入や現金など、無関係な勘定科目を使ってしまう。

決済時に電子記録債務を貸方にしてしまい、負債の減少を正しく表せない。

振替時点で負債がなくなったと誤解し、決済仕訳を忘れてしまう。

この講の用語

電子記録債務でんしきろくさいむ
仕入代金などの支払義務を電子的な記録によって管理する負債で、本講では買掛金から振り替えられる負債として扱う。
買掛金かいかけきん
商品を掛けで仕入れたときに生じる未払代金を表す負債で、電子記録債務へ振り替える元になる勘定科目である。
振替ふりかえ
ある勘定科目の金額を別の勘定科目へ移し替える処理で、この講義では買掛金を電子記録債務へ移すことを指す。
決済けっさい
支払義務を実際の支払いによって消すことで、電子記録債務は満期日に当座預金などで決済する。

章立て

  1. 0:00導入表紙。第38講のテーマと二人の講師を親しみやすく提示する。
  2. 0:21電子記録債務とは導入概念。電子記録債務の意味、本講の範囲、負債総額は変わらず種類が変わることを図解。
  3. 1:04二つの型中心概念。振替と決済の2つの型、増減と借方貸方の向きを整理する。
  4. 1:39重要用語重要用語。電子記録債務、買掛金、振替、決済の語を短く整理。
  5. 1:56基本ルール基本ルール。振替仕訳と決済仕訳、負債総額の扱い、本講の基本科目を明示。
  6. 2:25判断手順判断手順。振替か決済かの判定から、増減確認、借方貸方決定までの流れ。
  7. 2:50例題1 買掛金から電子記録債務へ振替例題1。買掛金80,000円を電子記録債務へ振替する問題、判断、答えを図解。
  8. 3:49例題2 電子記録債務の満期決済例題2。電子記録債務45,000円を満期日に当座預金で決済する問題と答え。
  9. 4:44例題3 振替後に後日決済例題3。120,000円の振替と後日の全額決済を2段階で整理する。
  10. 6:08よくある誤りとまとめよくある誤りとまとめ。誤答パターンを避け、2段階の型を再確認する。

この講の確認問題

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