試算表の作成と貸借一致
この講義では、総勘定元帳に記入された各勘定の金額を集計し、合計・残高試算表を作成する手順を学びます。あわせて、借方合計と貸方合計、または借方残高合計と貸方残高合計が一致しているかを確認する見方を整理します。試算表は、決算に入る前に帳簿記録のまとまりを一覧できる重要な表です。本講では、公式範囲にしたがって、総勘定元帳から試算表を作るところまでを丁寧に確認します。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
総勘定元帳から合計・残高試算表を作成し、貸借一致を確認できる。
- 合計試算表と残高試算表の違いを説明できる。
- 各勘定の借方合計・貸方合計・残高を元帳から正しく読み取れる。
- 試算表で貸借一致を確認する意味を理解できる。
前提知識
- 仕訳の基本
- 総勘定元帳への転記
- 借方・貸方の意味
- 勘定口座の残高の求め方
ひとつ前の講:決算手続の全体像
要点
- 試算表は総勘定元帳の記録を一覧化して貸借一致を確かめる表である。
- 合計試算表は各勘定の借方合計と貸方合計を並べる。
- 残高試算表は各勘定の残高を借方または貸方のいずれかに示す。
- 試算表全体でも借方合計と貸方合計が一致しているか確認する。
- 貸借一致は重要だが、一致していれば必ずしもすべての誤りがないとは限らない。
判断のルール
- 合計試算表では、各勘定の借方合計と貸方合計をそのまま記入する。
- 残高試算表では、各勘定の差額だけを残高として記入する。
- 資産・費用の残高は通常借方、負債・純資産・収益の残高は通常貸方に出る。
- 試算表の最下段で借方合計と貸方合計が一致するか必ず確認する。
- 元帳から数字を写すときは、合計と残高を取り違えない。
例題
例題1例題1 合計試算表の一部を作る
次の総勘定元帳の集計結果にもとづいて、合計試算表の各勘定の金額と、試算表全体の合計を求めなさい。現金:借方合計 180,000円、貸方合計 65,000円。売上:借方合計 0円、貸方合計 240,000円。仕入:借方合計 90,000円、貸方合計 0円。買掛金:借方合計 30,000円、貸方合計 75,000円。
答え合計試算表は、現金 借方180,000円・貸方65,000円、売上 借方0円・貸方240,000円、仕入 借方90,000円・貸方0円、買掛金 借方30,000円・貸方75,000円です。試算表全体の借方合計は300,000円、貸方合計も300,000円です。
考え方合計試算表では、各勘定の借方合計と貸方合計をそのまま記入します。したがって差額計算は不要です。全体集計は、借方が180,000+0+90,000+30,000=300,000円、貸方が65,000+240,000+0+75,000=300,000円です。
確かめ借方合計300,000円と貸方合計300,000円が一致しているので、貸借一致が確認できます。合計試算表なのに現金115,000円などの残高を書いていないかも確認します。
例題2例題2 残高試算表の一部を作る
次の総勘定元帳の集計結果にもとづいて、残高試算表を作成しなさい。現金:借方合計 260,000円、貸方合計 80,000円。売掛金:借方合計 120,000円、貸方合計 45,000円。借入金:借方合計 20,000円、貸方合計 150,000円。資本金:借方合計 0円、貸方合計 105,000円。
答え残高試算表は、現金 借方残高180,000円、売掛金 借方残高75,000円、借入金 貸方残高130,000円、資本金 貸方残高105,000円です。借方残高合計は255,000円、貸方残高合計も255,000円です。
考え方残高試算表では差額だけを書きます。現金は260,000-80,000=180,000円の借方残高、売掛金は120,000-45,000=75,000円の借方残高、借入金は150,000-20,000=130,000円の貸方残高、資本金は105,000-0=105,000円の貸方残高です。全体では借方180,000+75,000=255,000円、貸方130,000+105,000=255,000円です。
確かめ各勘定で大きい側から小さい側を引いているかを確認します。また、一つの勘定を借方と貸方の両方に書いていないかも確認します。借方残高合計と貸方残高合計は一致しています。
例題3例題3 合計と残高の違いを確認する
次の総勘定元帳の集計結果について、合計試算表に記入する金額と、残高試算表に記入する金額をそれぞれ答えなさい。商品:借方合計 70,000円、貸方合計 25,000円。支払家賃:借方合計 36,000円、貸方合計 0円。買掛金:借方合計 18,000円、貸方合計 54,000円。
答え合計試算表では、商品 借方70,000円・貸方25,000円、支払家賃 借方36,000円・貸方0円、買掛金 借方18,000円・貸方54,000円です。残高試算表では、商品 借方残高45,000円、支払家賃 借方残高36,000円、買掛金 貸方残高36,000円です。
考え方合計試算表は元帳の合計額をそのまま書きます。残高試算表は差額を書きます。商品は70,000-25,000=45,000円の借方残高、支払家賃は36,000-0=36,000円の借方残高、買掛金は54,000-18,000=36,000円の貸方残高です。
確かめ合計試算表と残高試算表で同じ数字を書いていないかを確認します。商品は合計なら70,000円と25,000円、残高なら45,000円であり、表の種類によって書く意味が違います。
よくある間違い
合計試算表なのに残高だけを書いてしまう。
残高試算表なのに借方合計と貸方合計の両方を書いてしまう。
元帳の差額計算で大きい側から小さい側を引かず、残高の向きを誤る。
現金や売上などの勘定科目を試算表に転記し忘れる。
各勘定は正しく書けていても、試算表全体の合計確認をしない。
この講の用語
- 試算表しさんひょう
- 総勘定元帳にある各勘定の金額を一覧にし、貸借一致を確認するための表。
- 合計試算表ごうけいしさんひょう
- 各勘定について、借方合計と貸方合計をそれぞれ集計して表示する試算表。
- 残高試算表ざんだかしさんひょう
- 各勘定について、借方と貸方の差額である残高だけを表示する試算表。
- 総勘定元帳そうかんじょうもとちょう
- 各勘定ごとに取引の増減を記録し、合計や残高を把握する帳簿。
- 貸借一致たいしゃくいっち
- 試算表で、借方の合計額と貸方の合計額が等しくなっている状態。
章立て
- 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
- 0:20中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
- 1:04重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
- 1:46基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
- 2:06判断手順問題を解くときの順番を確認します。
- 2:49例題1基本的な取引を確認します。
- 3:17例題2別の条件で判断を確認します。
- 4:43例題3計算または応用の判断を確認します。
- 6:13よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
- 8:09まとめ重要事項を一枚で整理します。
この講の確認問題
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