決算整理会員向け6:59

収益・費用の前受けと前払い

決算整理で扱う収益・費用の前受けと前払いについて学びます。翌期分を前受収益・前払費用へ振り替え、当期に属する金額を正しく求める手順を、考え方と仕訳の形にしぼって整理します。

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この講で分かるようになること

翌期分を前受収益・前払費用へ振り替え、当期額を求められる。

  • 当期分と翌期分を月数で区別できるようになる。
  • 前受収益と前払費用の増減方向を仕訳で表せるようになる。
  • 決算日に必要な振替額を落ち着いて計算できるようになる。

前提知識

  • 借方・貸方の基本
  • 費用と収益の意味
  • 月割計算の基本

要点

  1. 決算整理では、当期分と翌期分を分けることが目的である。
  2. 収益で翌期分をすでに受け取っているときは、翌期分を前受収益に振り替える。
  3. 費用で翌期分をすでに支払っているときは、翌期分を前払費用に振り替える。
  4. 振り替える金額は、通常は月数や日数ではなく、3級では主に月数で求める。
  5. 仕訳後に残る収益・費用の金額が当期額になる。

判断のルール

  • 収益の前受けでは、翌期分を収益から減らし、前受収益を増やす。
  • 費用の前払いでは、翌期分を費用から減らし、前払費用を増やす。
  • 当期額を求めるときは、支払済額・受取済額の全額から翌期分を差し引く。
  • 月割計算では、契約期間全体の月数と翌期に属する月数を確認してから計算する。

例題

例題1例題1 受取家賃の前受け

12月1日に向こう12か月分の家賃120,000円を受け取り、全額を受取家賃として記帳していた。決算日は12月31日である。決算整理仕訳を求めなさい。

答え(借)受取家賃 110,000 /(貸)前受収益 110,000

考え方120,000円は12か月分なので1か月あたり10,000円です。12月分だけが当期分で、1月から11月までの11か月分は翌期分です。翌期分は10,000円×11か月=110,000円となります。収益の前受けなので、翌期分を受取家賃から減らし、前受収益に振り替えます。

確かめ受取家賃120,000円から110,000円を差し引くと当期額は10,000円で、12月の1か月分と一致します。借方・貸方の金額も110,000円で一致しています。

例題2例題2 支払保険料の前払い

10月1日に1年分の保険料24,000円を支払い、全額を保険料として記帳していた。決算日は12月31日である。決算整理仕訳を求めなさい。

答え(借)前払費用 18,000 /(貸)保険料 18,000

考え方24,000円は12か月分なので1か月あたり2,000円です。当期分は10月・11月・12月の3か月分で、翌期分は1月から9月までの9か月分です。翌期分は2,000円×9か月=18,000円となります。費用の前払いなので、翌期分を前払費用に振り替えます。

確かめ保険料24,000円から18,000円を差し引くと当期額は6,000円です。これは3か月分の2,000円×3か月=6,000円と一致します。仕訳の貸借も18,000円で一致しています。

例題3例題3 受取手数料の前受け

11月1日に6か月分の手数料収入90,000円を受け取り、全額を受取手数料として記帳していた。決算日は12月31日である。決算整理仕訳を求めなさい。

答え(借)受取手数料 60,000 /(貸)前受収益 60,000

考え方90,000円は6か月分なので1か月あたり15,000円です。当期分は11月・12月の2か月分、翌期分は1月から4月までの4か月分です。翌期分は15,000円×4か月=60,000円です。収益の前受けなので、受取手数料を減らし、前受収益を増やします。

確かめ受取手数料90,000円から60,000円を差し引くと当期額は30,000円です。これは15,000円×2か月=30,000円と一致します。貸借金額も60,000円で一致しています。

よくある間違い

翌期分ではなく当期分を前受収益や前払費用にしてしまう。

収益の前受けで借方・貸方を逆にし、前受収益を減らしてしまう。

費用の前払いで支払額の全額をそのまま当期費用として残してしまう。

月数を数えるときに、翌期に属する月を1か月多くまたは少なく数えてしまう。

この講の用語

前受収益まえうけしゅうえき
すでに受け取っているが、サービス提供などが翌期に属するため、当期の収益にしない金額。
前払費用まえばらいひよう
すでに支払っているが、翌期に属するため、当期の費用にしない金額。
決算整理けっさんせいり
帳簿の金額を当期の正しい収益と費用に直すために、決算日に行う修正の手続き。
当期額とうきがく
その会計期間に属する収益または費用の金額。

章立て

  1. 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
  2. 0:21中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
  3. 0:55重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
  4. 1:25基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
  5. 1:45判断手順問題を解くときの順番を確認します。
  6. 2:11例題1基本的な取引を確認します。
  7. 2:31例題2別の条件で判断を確認します。
  8. 3:38例題3計算または応用の判断を確認します。
  9. 4:46よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
  10. 5:58まとめ重要事項を一枚で整理します。

この講の確認問題

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