決算後処理・財務諸表会員向け7:30

純損益の繰越利益剰余金への振替

この講義では、決算で確定した当期純利益または当期純損失を、繰越利益剰余金勘定へ振り替える基本処理だけを学びます。損益勘定で集計された結果を、資本の部に属する繰越利益剰余金へ移す仕訳を、利益の場合と損失の場合に分けて整理します。

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この講で分かるようになること

当期純利益または当期純損失を繰越利益剰余金へ振り替えられる。

  • 損益勘定の残高が利益か損失かを判定できる。
  • 利益の場合と損失の場合で借方・貸方が逆になる理由を説明できる。
  • 振替後に損益勘定が締め切られる形を確認できる。

前提知識

  • 損益勘定で収益と費用を集計して当期純利益または当期純損失を求める流れ
  • 繰越利益剰余金勘定の基本的な意味
  • 借方・貸方の基本ルール

要点

  1. 当期純利益は繰越利益剰余金の増加として振り替える。
  2. 当期純損失は繰越利益剰余金の減少として振り替える。
  3. 振替仕訳では損益勘定を反対側に記入して締め切る。
  4. 振替金額は損益勘定の最終残高と一致する。

判断のルール

  • 当期純利益のときは、借方に損益、貸方に繰越利益剰余金を記入する。
  • 当期純損失のときは、借方に繰越利益剰余金、貸方に損益を記入する。
  • 振替金額は当期純利益額または当期純損失額そのものを用いる。
  • 振替後、損益勘定の残高はなくなる形になる。

例題

例題1例題1:当期純利益の振替

決算の結果、損益勘定から当期純利益80,000円が確定した。繰越利益剰余金勘定へ振り替える仕訳を答えなさい。

答え(借)損益 80,000 / (貸)繰越利益剰余金 80,000

考え方当期純利益は会社に残る利益の増加なので、繰越利益剰余金が増加する。繰越利益剰余金の増加は貸方に記入する。一方、損益勘定は締め切るため借方に記入する。したがって、借方損益80,000円、貸方繰越利益剰余金80,000円となる。

確かめ借方80,000円、貸方80,000円で一致している。振替金額は当期純利益額80,000円そのものであり、損益勘定を締め切る形になっている。

例題2例題2:当期純損失の振替

決算の結果、損益勘定から当期純損失25,000円が確定した。繰越利益剰余金勘定へ振り替える仕訳を答えなさい。

答え(借)繰越利益剰余金 25,000 / (貸)損益 25,000

考え方当期純損失は繰越利益剰余金の減少を意味する。繰越利益剰余金の減少は借方に記入する。損益勘定は締め切るため反対側の貸方に記入する。よって、借方繰越利益剰余金25,000円、貸方損益25,000円となる。

確かめ借方25,000円、貸方25,000円で一致している。損失なので利益の場合と逆向きになっていることを確認する。

例題3例題3:収益総額と費用総額から確認して振替

ある会社の決算で、収益合計は310,000円、費用合計は278,000円であった。損益勘定で求められた結果を繰越利益剰余金勘定へ振り替える仕訳を答えなさい。

答え(借)損益 32,000 / (貸)繰越利益剰余金 32,000

考え方まず純損益を確認すると、310,000円-278,000円=32,000円で当期純利益である。振り替えるのは収益総額310,000円でも費用総額278,000円でもなく、差額の32,000円である。当期純利益なので、借方に損益、貸方に繰越利益剰余金を記入する。

確かめ差額計算は32,000円で正しい。仕訳は借方32,000円、貸方32,000円で一致する。利益のため、繰越利益剰余金が貸方になっている。

よくある間違い

利益なのに借方へ繰越利益剰余金を記入してしまう。

損失なのに借方へ損益を記入してしまう。

振替金額を収益総額や費用総額で記入してしまい、純額を使わない。

損益勘定を振り替えたあとも残高が残る形で考えてしまう。

この講の用語

当期純利益とうきじゅんりえき
当期の収益合計が費用合計を上回った結果として生じる利益で、決算で繰越利益剰余金へ振り替える。
当期純損失とうきじゅんそんしつ
当期の費用合計が収益合計を上回った結果として生じる損失で、決算で繰越利益剰余金へ振り替える。
損益そんえき
決算で収益と費用を集計し、最終的な利益または損失を示すために用いる勘定である。
繰越利益剰余金くりこしりえきじょうよきん
会社に蓄積された利益を表す勘定で、当期純利益の振替先、または当期純損失の振替による減少先となる。

章立て

  1. 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
  2. 0:23中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
  3. 1:06重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
  4. 1:46基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
  5. 2:15判断手順問題を解くときの順番を確認します。
  6. 2:55例題1基本的な取引を確認します。
  7. 3:27例題2別の条件で判断を確認します。
  8. 4:30例題3計算または応用の判断を確認します。
  9. 5:27よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
  10. 6:45まとめ重要事項を一枚で整理します。

この講の確認問題

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