決算後処理・財務諸表会員向け9:03

損益計算書と貸借対照表の作成

この講義では、決算整理後残高をもとに、勘定式の損益計算書と貸借対照表を作成する手順を学びます。どの勘定科目を損益計算書に記入し、どの勘定科目を貸借対照表に記入するのかを整理し、金額の転記と合計の確認までを丁寧に確認します。対象は2026・2027年度共通の範囲であり、到達目標は決算整理後残高から勘定式の損益計算書と貸借対照表を作成できることです。

損益計算書と貸借対照表の作成の表紙動画の視聴は会員向けです

この講で分かるようになること

決算整理後残高から勘定式の損益計算書と貸借対照表を作成できる。

  • 損益計算書に入る収益・費用の勘定科目を区別できる。
  • 貸借対照表に入る資産・負債・純資産の勘定科目を区別できる。
  • 転記後に各表の合計額を確認できる。

前提知識

  • 決算整理後残高試算表の見方
  • 収益・費用・資産・負債・純資産の基本分類
  • 当期純利益または当期純損失の意味

要点

  1. 損益計算書には収益と費用だけを記入する。
  2. 貸借対照表には資産・負債・純資産を記入する。
  3. 損益計算書の差額で当期純利益または当期純損失を求める。
  4. 当期純利益は貸借対照表の純資産の部に加える。
  5. 貸借対照表は資産合計と負債純資産合計が一致する。

判断のルール

  • 決算整理後残高をそのまま正しい表に転記する。
  • 費用と収益を混同しない。
  • 資産・負債・純資産の分類を確認してから貸借対照表へ記入する。
  • 損益計算書で求めた当期純利益または当期純損失を貸借対照表へ反映する。
  • 最後に各表の合計額を検算する。

例題

例題1例題1 当期純利益が出る基本例

次の決算整理後残高から、勘定式の損益計算書と貸借対照表を作成しなさい。現金60,000円、売掛金40,000円、備品100,000円、買掛金30,000円、借入金50,000円、資本金80,000円、売上200,000円、仕入120,000円、給料30,000円、通信費10,000円。

答え損益計算書:費用は仕入120,000円、給料30,000円、通信費10,000円で合計160,000円。収益は売上200,000円。差額40,000円が当期純利益。貸借対照表:資産は現金60,000円、売掛金40,000円、備品100,000円で合計200,000円。負債は買掛金30,000円、借入金50,000円で合計80,000円。純資産は資本金80,000円と当期純利益40,000円で合計120,000円。負債純資産合計は200,000円。

考え方まず、売上は収益、仕入・給料・通信費は費用なので損益計算書へ記入します。収益200,000円から費用160,000円を差し引くと40,000円の利益です。次に、現金・売掛金・備品は資産、買掛金・借入金は負債、資本金は純資産なので貸借対照表へ記入します。最後に当期純利益40,000円を純資産に加えます。

確かめ損益計算書は費用160,000円に当期純利益40,000円を加えると200,000円となり、収益200,000円と一致します。貸借対照表は資産200,000円、負債純資産80,000円+120,000円=200,000円で一致します。

例題2例題2 当期純損失が出る例

次の決算整理後残高から、勘定式の損益計算書と貸借対照表を作成しなさい。現金35,000円、売掛金35,000円、繰越商品20,000円、備品70,000円、買掛金30,000円、借入金40,000円、資本金100,000円、売上90,000円、仕入60,000円、給料20,000円、支払家賃15,000円、通信費5,000円。

答え損益計算書:費用は仕入60,000円、給料20,000円、支払家賃15,000円、通信費5,000円で合計100,000円。収益は売上90,000円。差額10,000円が当期純損失。貸借対照表:資産は現金35,000円、売掛金35,000円、繰越商品20,000円、備品70,000円で合計160,000円。負債は買掛金30,000円、借入金40,000円で合計70,000円。純資産は資本金100,000円から当期純損失10,000円を差し引いて90,000円。負債純資産合計は160,000円。

考え方売上90,000円に対し費用100,000円なので、当期純損失は10,000円です。資産は35,000+35,000+20,000+70,000=160,000円、負債純資産は70,000円+90,000円=160,000円となります。損益計算書と貸借対照表の両方で合計を確認します。

確かめ損益計算書は収益90,000円と費用100,000円の差額10,000円で締まり、費用側に純損失を加えると90,000円になります。貸借対照表も資産160,000円と負債純資産160,000円が一致します。

例題3例題3 受取手数料を含む例

次の決算整理後残高から、勘定式の損益計算書と貸借対照表を作成しなさい。現金80,000円、当座預金50,000円、売掛金30,000円、備品40,000円、買掛金20,000円、借入金30,000円、資本金100,000円、売上140,000円、受取手数料10,000円、仕入70,000円、給料25,000円、通信費5,000円。

答え損益計算書:費用は仕入70,000円、給料25,000円、通信費5,000円で合計100,000円。収益は売上140,000円、受取手数料10,000円で合計150,000円。差額50,000円が当期純利益。貸借対照表:資産は現金80,000円、当座預金50,000円、売掛金30,000円、備品40,000円で合計200,000円。負債は買掛金20,000円、借入金30,000円で合計50,000円。純資産は資本金100,000円と当期純利益50,000円で合計150,000円。負債純資産合計は200,000円。

考え方収益には売上だけでなく受取手数料も含まれるので、収益合計は150,000円です。費用合計100,000円との差額50,000円が当期純利益になります。資産は200,000円、負債50,000円と純資産150,000円の合計も200,000円となります。

確かめ損益計算書は費用100,000円に当期純利益50,000円を加えると150,000円で、収益150,000円と一致します。貸借対照表も資産200,000円、負債純資産200,000円で一致します。

よくある間違い

仕入や給料を貸借対照表に入れてしまう。

現金や売掛金を損益計算書に入れてしまう。

当期純利益を損益計算書で求めたのに、貸借対照表の純資産へ反映し忘れる。

貸借対照表で負債と純資産を分けずに合計してしまい、内訳が不明になる。

左右の合計を確認せず、転記誤りを見落とす。

この講の用語

損益計算書そんえきけいさんしょ
一定期間の収益と費用を記入し、その差額として当期純利益または当期純損失を示す財務諸表です。
貸借対照表たいしゃくたいしょうひょう
決算日における資産・負債・純資産の状態を示す財務諸表です。
決算整理後残高けっさんせいりござんだか
決算整理を行った後の各勘定科目の残高で、財務諸表作成の基礎になる金額です。
当期純利益とうきじゅんりえき
収益の合計が費用の合計を上回ったときの差額です。
勘定式かんじょうしき
左右に区分して金額を表示する様式です。損益計算書では左に費用、右に収益、貸借対照表では左に資産、右に負債と純資産を示します。

章立て

  1. 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
  2. 0:24中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
  3. 1:09重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
  4. 1:49基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
  5. 2:15判断手順問題を解くときの順番を確認します。
  6. 3:00例題1基本的な取引を確認します。
  7. 3:32例題2別の条件で判断を確認します。
  8. 5:02例題3計算または応用の判断を確認します。
  9. 6:24よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
  10. 8:06まとめ重要事項を一枚で整理します。

この講の確認問題

日商簿記3級の学習を続ける

講義・過去問・暗記カード・模試まで、同じ論点でつながっています。

登録は1分・クレジットカード不要。無料のまま練習・暗記カード・模試まで使えます。

「決算後処理・財務諸表」の他の講

日商簿記3級の講義一覧をすべて見る