決算後処理・財務諸表会員向け7:49

仕訳帳と総勘定元帳の締切

この講義では、英米式決算法による仕訳帳と総勘定元帳の締切のしかたを学びます。締切の目的、仕訳帳での締切線の引き方、総勘定元帳での各勘定の締切の流れ、次期へ繰り越す残高の示し方を、公式範囲にしぼって確認します。

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この講で分かるようになること

英米式決算法で仕訳帳と総勘定元帳を締め切れる。

  • 締切が帳簿の区切りを明確にする手続であると説明できる。
  • 総勘定元帳で残高のある勘定と残高のない勘定の締切表示を区別できる。
  • 締切後に次期へ繰り越す金額の向きを確認できる。

前提知識

  • 損益勘定と繰越利益剰余金勘定への振替の基本
  • 決算整理後残高試算表の読み取り
  • 総勘定元帳における借方残高・貸方残高の判定

要点

  1. 締切は当期の記帳を終え、次期の記帳と区別するために行う。
  2. 仕訳帳は、決算振替まで記入したあとで締切線を引いて締め切る。
  3. 総勘定元帳は、各勘定で借方合計・貸方合計を求め、差額を残高として示して締め切る。
  4. 残高がある勘定は、その残高を次期繰越として反対側に記入して帳簿をそろえる。
  5. 残高がない勘定は、借方合計と貸方合計が一致した形で締め切る。

判断のルール

  • 英米式決算法では、決算の振替記入が終わってから帳簿を締め切る。
  • 総勘定元帳では、合計の前に残高を記入して両側の金額を一致させる。
  • 借方残高の勘定は貸方に、貸方残高の勘定は借方に残高を記入して締め切る。
  • 締切後、次期へ繰り越す金額は残高のあった側と同じ向きで示す。

例題

例題1例題1 現金勘定の締切

総勘定元帳の現金勘定について、決算時点で借方合計が420,000円、貸方合計が275,000円でした。英米式決算法による締切として、残高と締切後の両側合計を求めてください。

答え現金は借方残高145,000円です。したがって、締切時には貸方側に残高145,000円を記入します。締切後の借方合計・貸方合計はともに420,000円になります。

考え方借方合計420,000円-貸方合計275,000円=145,000円なので、差額は借方に残っています。借方残高の勘定を締め切るときは、反対側である貸方に145,000円を書き入れて両側を一致させます。275,000円+145,000円=420,000円となり、両側合計がそろいます。

確かめ差額計算は420,000円-275,000円=145,000円で正しいです。締切記入後、貸方は275,000円+145,000円=420,000円となり、借方合計420,000円と一致しています。

例題2例題2 買掛金勘定の締切

総勘定元帳の買掛金勘定について、決算時点で借方合計が180,000円、貸方合計が260,000円でした。英米式決算法による締切として、残高と締切後の両側合計を求めてください。

答え買掛金は貸方残高80,000円です。したがって、締切時には借方側に残高80,000円を記入します。締切後の借方合計・貸方合計はともに260,000円になります。

考え方買掛金は通常、貸方に残りやすい勘定です。この問題でも、貸方合計260,000円-借方合計180,000円=80,000円となるため、貸方残高80,000円です。貸方残高の勘定を締め切るときは、反対側の借方に80,000円を書き入れます。180,000円+80,000円=260,000円で両側が一致します。

確かめ差額は260,000円-180,000円=80,000円です。借方へ80,000円を補えば、借方260,000円、貸方260,000円となり、締切処理は整っています。

例題3例題3 残高のない勘定の締切

ある総勘定元帳の勘定について、決算時点で借方合計が96,000円、貸方合計が96,000円でした。この勘定の締切では、残高と次期繰越をどのように扱いますか。

答え残高はありません。借方合計・貸方合計がすでに96,000円で一致しているため、そのまま締め切ります。次期繰越額もありません。

考え方残高は借方合計と貸方合計の差額です。この問題では96,000円-96,000円=0円なので、差額はありません。したがって、反対側に補う残高記入は不要です。また、次期へ引き継ぐべき金額もないため、次期繰越は書きません。

確かめ借方96,000円、貸方96,000円で差額は0円です。残高なし、次期繰越なしという判断は計算と一致しています。

よくある間違い

総勘定元帳で、借方残高なのに借方側へそのまま締切残高を書いてしまう。

残高を記入する前に合計を書いてしまい、両側の金額が一致しなくなる。

損益勘定や繰越利益剰余金勘定の締切と、仕訳帳全体の締切を混同する。

残高のない勘定に不要な次期繰越を書いてしまう。

仕訳帳の締切線と総勘定元帳の締切手続を同じ書き方だと思い込む。

この講の用語

締切しめきり
当期の帳簿記入を終え、合計や残高を示して次期の記帳と区別する手続。
仕訳帳しわけちょう
取引を日付順に仕訳して記入する帳簿。決算時には最後の記入のあとで締め切る。
総勘定元帳そうかんじょうもとちょう
各勘定科目ごとに増減と残高を記録する帳簿。決算時には各勘定を締め切る。
残高ざんだか
借方合計と貸方合計の差額。勘定にまだ残っている金額を表す。
次期繰越じきくりこし
締切後に次の会計期間へ引き継ぐ残高のこと。

章立て

  1. 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
  2. 0:20中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
  3. 0:55重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
  4. 1:31基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
  5. 1:53判断手順問題を解くときの順番を確認します。
  6. 2:16例題1基本的な取引を確認します。
  7. 2:47例題2別の条件で判断を確認します。
  8. 4:07例題3計算または応用の判断を確認します。
  9. 5:20よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
  10. 6:36まとめ重要事項を一枚で整理します。

この講の確認問題

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