2026年度手形補充会員向け7:10

約束手形の振出しと受入れ

この講義では、約束手形を振り出した側と受け取った側について、支払手形・受取手形を使う基本仕訳を学びます。商品売買などの代金を、現金ですぐに支払う代わりに約束手形で処理する場面にしぼって、借方・貸方の考え方を整理します。

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この講で分かるようになること

約束手形を振り出した側と受け取った側について、支払手形・受取手形の基本仕訳を作れる。

  • 約束手形を使うときに、振り出した側と受け取った側の勘定科目を言い分けられる。
  • 代金の支払いを後日に約束する取引として、現金取引との違いを説明できる。
  • 支払手形と受取手形の増減を、借方・貸方で正しく判断できる。

前提知識

  • 商品売買の基本仕訳
  • 掛けによる売上・仕入の基本
  • 資産・負債の借方貸方の基本ルール

要点

  1. 約束手形を振り出した側は、将来支払う義務が生じるため支払手形で処理する。
  2. 約束手形を受け取った側は、将来受け取る権利が生じるため受取手形で処理する。
  3. その場で現金は動かなくても、代金の支払いや回収の約束として仕訳が必要である。
  4. 支払手形は負債、受取手形は資産として考える。

判断のルール

  • 約束手形を振り出して代金を後払いにしたときは、支払手形を貸方に記入する。
  • 約束手形を受け取って代金を後日回収することにしたときは、受取手形を借方に記入する。
  • 商品を仕入れた取引なら仕入、商品を販売した取引なら売上を相手科目として用いる。
  • 現金の受渡しがない場面でも、手形という約束が成立した時点で仕訳する。

例題

例題1例題1 商品を仕入れて約束手形を振り出した

当店は商品¥80,000を仕入れ、代金は約束手形を振り出して支払った。仕訳を示しなさい。

答え(借)仕入 80,000 /(貸)支払手形 80,000

考え方商品を仕入れているので費用の発生として仕入を借方に記入します。代金は約束手形を振り出して後日に支払うため、将来の支払義務が生じます。したがって負債である支払手形を貸方に記入します。

確かめ借方合計¥80,000、貸方合計¥80,000で一致しています。支払手形は負債の増加なので貸方で正しいです。

例題2例題2 商品を販売して約束手形を受け取った

当店は商品¥126,000を販売し、代金として相手振出しの約束手形を受け取った。仕訳を示しなさい。

答え(借)受取手形 126,000 /(貸)売上 126,000

考え方商品を販売しているので収益として売上を貸方に記入します。代金は約束手形で受け取っているため、将来受け取る権利が生じています。よって資産である受取手形を借方に記入します。

確かめ借方合計¥126,000、貸方合計¥126,000で一致しています。受取手形は資産の増加なので借方で正しいです。

例題3例題3 別々の立場を見分ける

次の2つの取引について、それぞれ仕訳を示しなさい。①商品¥45,000を仕入れ、代金は約束手形を振り出した。②商品¥45,000を販売し、代金は約束手形で受け取った。

答え①(借)仕入 45,000 /(貸)支払手形 45,000 ②(借)受取手形 45,000 /(貸)売上 45,000

考え方①は自社が約束手形を振り出しているので、将来支払う立場です。したがって支払手形を使います。商品を仕入れているので借方は仕入です。②は自社が約束手形を受け取っているので、将来受け取る立場です。したがって受取手形を使います。商品を販売しているので貸方は売上です。同じ金額でも、自社が支払う側か受け取る側かで勘定科目が変わります。

確かめ①は借方¥45,000と貸方¥45,000が一致、②も借方¥45,000と貸方¥45,000が一致しています。①は支払手形、②は受取手形となっており、立場の違いを正しく反映しています。

よくある間違い

約束手形を振り出した側なのに、受取手形を使ってしまう。

支払手形が負債であることを忘れて、借方に記入してしまう。

受取手形が資産であることを忘れて、貸方に記入してしまう。

現金の受渡しがないため、仕訳は不要だと考えてしまう。

この講の用語

約束手形やくそくてがた
一定の日に、一定の金額を支払うことを約束して作成する手形です。振り出した側は将来支払う立場になり、受け取った側は将来受け取る立場になります。
振出しふりだし
手形を作成して相手に渡すことです。約束手形では、振り出した側に将来の支払義務が生じます。
支払手形しはらいてがた
自社が振り出した約束手形などによって、将来支払う義務を表す負債の勘定科目です。
受取手形うけとりてがた
相手から受け取った約束手形などによって、将来受け取る権利を表す資産の勘定科目です。

章立て

  1. 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
  2. 0:23中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
  3. 1:12重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
  4. 1:56基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
  5. 2:19判断手順問題を解くときの順番を確認します。
  6. 2:47例題1基本的な取引を確認します。
  7. 3:10例題2別の条件で判断を確認します。
  8. 4:01例題3計算または応用の判断を確認します。
  9. 4:54よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
  10. 6:21まとめ重要事項を一枚で整理します。

この講の確認問題

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