有形固定資産会員向け7:10

有形固定資産の売却

この講義では、有形固定資産を売却したときの基本処理を学びます。帳簿価額を求め、その金額と売却価額を比較して固定資産売却益または固定資産売却損を計算し、正しく仕訳できるようになることを目標にします。

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この講で分かるようになること

帳簿価額を求め、売却損益を計算して仕訳できる。

  • 帳簿価額と売却価額を区別できる。
  • 固定資産売却益と固定資産売却損の使い分けができる。
  • 売却代金を現金や当座預金で受け取る基本形に対応できる。

前提知識

  • 有形固定資産の基本的な意味
  • 減価償却後の帳簿価額の考え方
  • 借方・貸方の基本ルール

要点

  1. 売却時は、まず固定資産の帳簿価額を確認する。
  2. 売却価額が帳簿価額より大きければ固定資産売却益、小さければ固定資産売却損となる。
  3. 売却によって固定資産は帳簿から取り除く。
  4. 受け取った代金と帳簿価額・売却損益の左右を整えて仕訳する。

判断のルール

  • 帳簿価額 = 取得原価 - 減価償却累計額
  • 売却価額 > 帳簿価額 のとき、差額は固定資産売却益
  • 売却価額 < 帳簿価額 のとき、差額は固定資産売却損
  • 固定資産の帳簿価額を消すため、固定資産勘定は貸方に記入する

例題

例題1例題1 売却益が生じる場合

備品(帳簿価額60,000円)を75,000円で売却し、代金は現金で受け取った。仕訳を示しなさい。

答え(借)現金 75,000 /(貸)備品 60,000、固定資産売却益 15,000

考え方帳簿価額は60,000円、売却価額は75,000円です。売却価額のほうが15,000円大きいので、利益が生じます。受け取った現金75,000円を借方、帳簿から消す備品60,000円を貸方、差額15,000円を固定資産売却益として貸方に記入します。

確かめ借方合計は75,000円、貸方合計は60,000円+15,000円=75,000円で一致します。利益なので固定資産売却益は貸方で正しいです。

例題2例題2 売却損が生じる場合

車両運搬具(帳簿価額140,000円)を110,000円で売却し、代金は当座預金に預け入れた。仕訳を示しなさい。

答え(借)当座預金 110,000、固定資産売却損 30,000 /(貸)車両運搬具 140,000

考え方帳簿価額140,000円に対して、売却価額は110,000円です。30,000円低く売っているため、固定資産売却損が生じます。当座預金110,000円を借方に、差額30,000円を固定資産売却損として借方に、帳簿から消す車両運搬具140,000円を貸方に記入します。

確かめ借方合計は110,000円+30,000円=140,000円、貸方合計は140,000円で一致します。損失なので固定資産売却損は借方で正しいです。

例題3例題3 帳簿価額を求めてから売却する場合

機械の取得原価は300,000円、減価償却累計額は180,000円である。この機械を125,000円で売却し、代金は現金で受け取った。仕訳を示しなさい。

答え(借)現金 125,000、減価償却累計額 180,000 /(貸)機械 300,000、固定資産売却益 5,000

考え方まず帳簿価額を求めます。300,000円-180,000円=120,000円です。次に売却価額125,000円と比較すると、125,000円-120,000円=5,000円の利益です。売却時は機械の取得原価300,000円を貸方で消し、対応する減価償却累計額180,000円を借方で取り崩します。したがって、現金125,000円と減価償却累計額180,000円を借方、機械300,000円と固定資産売却益5,000円を貸方に記入します。

確かめ帳簿価額は120,000円で計算に誤りはありません。借方合計は125,000円+180,000円=305,000円、貸方合計は300,000円+5,000円=305,000円で一致します。

よくある間違い

取得原価そのものと売却価額を比べてしまい、帳簿価額で判断していない。

利益と損失を逆にして、固定資産売却益と固定資産売却損を取り違える。

固定資産を売却したのに、固定資産勘定を帳簿から消し忘れる。

減価償却累計額を考慮せずに仕訳してしまう。

この講の用語

帳簿価額ちょうぼかがく
帳簿に残っている固定資産の価額で、一般に取得原価から減価償却累計額を差し引いて求める金額です。
売却価額ばいきゃくかがく
固定資産を売ったときに受け取る金額です。
固定資産売却益こていしさんばいきゃくえき
売却価額が帳簿価額を上回ったときに生じる利益です。
固定資産売却損こていしさんばいきゃくそん
売却価額が帳簿価額を下回ったときに生じる損失です。
減価償却累計額げんかしょうきゃくるいけいがく
固定資産についてこれまでに計上してきた減価償却費の累計額で、帳簿価額を求めるときに取得原価から差し引きます。

章立て

  1. 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
  2. 0:18中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
  3. 0:52重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
  4. 1:26基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
  5. 1:52判断手順問題を解くときの順番を確認します。
  6. 2:16例題1基本的な取引を確認します。
  7. 2:40例題2別の条件で判断を確認します。
  8. 3:45例題3計算または応用の判断を確認します。
  9. 4:47よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
  10. 6:19まとめ重要事項を一枚で整理します。

この講の確認問題

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