有形固定資産会員向け7:08

有形固定資産の除却・廃棄

この講義では、有形固定資産を使わなくなったり、捨てたりしたときに、帳簿に残っている価額をどのように処理するかを学びます。除却と廃棄の意味を整理し、固定資産除却損を用いた基本的な仕訳を、公式範囲にしぼって確認します。

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この講で分かるようになること

固定資産を使用中止または廃棄したときの帳簿価額を処理できる。

  • 除却と廃棄の場面を区別できる。
  • 帳簿価額の意味を説明できる。
  • 固定資産除却損を使う基本仕訳を作成できる。

前提知識

  • 有形固定資産の取得原価がわかること。
  • 減価償却後の帳簿価額の意味がわかること。
  • 借方・貸方の基本的な書き方がわかること。

要点

  1. 除却・廃棄では、帳簿に残っている価額を消す。
  2. 帳簿価額は、取得原価から減価償却累計額を差し引いて求める。
  3. 処分時に残った帳簿価額は固定資産除却損で処理する。
  4. 資産勘定と減価償却累計額をあわせて消す形を確認する。

判断のルール

  • 帳簿価額 = 取得原価 - 減価償却累計額
  • 除却・廃棄で残る帳簿価額は、原則として固定資産除却損で処理する。
  • 資産を帳簿から消すため、資産勘定は貸方に記入する。
  • 減価償却累計額は資産の控除項目なので、除却時は借方に記入して取り崩す。

例題

例題1例題1 備品を廃棄した場合

備品(取得原価120,000円、減価償却累計額90,000円)を廃棄した。必要な仕訳を示しなさい。

答え(借)減価償却累計額 90,000 (借)固定資産除却損 30,000 /(貸)備品 120,000

考え方まず帳簿価額を求める。120,000円-90,000円=30,000円。この30,000円がまだ帳簿に残っている金額なので、固定資産除却損として借方に計上する。減価償却累計額90,000円は取り崩すため借方、備品120,000円は帳簿から消すため貸方に記入する。

確かめ借方合計は90,000円+30,000円=120,000円、貸方合計は120,000円で一致する。固定資産除却損が帳簿価額30,000円になっているので正しい。

例題2例題2 車両運搬具を使用中止して除却した場合

車両運搬具(取得原価800,000円、減価償却累計額640,000円)を使用中止とし、除却した。必要な仕訳を示しなさい。

答え(借)減価償却累計額 640,000 (借)固定資産除却損 160,000 /(貸)車両運搬具 800,000

考え方帳簿価額は800,000円-640,000円=160,000円である。除却では残っていた帳簿価額を固定資産除却損として処理する。減価償却累計額はこれまでの価値減少分なので借方で取り崩し、資産本体の車両運搬具は貸方で帳簿から外す。

確かめ借方は640,000円+160,000円=800,000円、貸方は800,000円で一致する。取得原価全額ではなく、差額160,000円だけを損失にしている点を確認する。

例題3例題3 建物附属設備を廃棄した場合

建物附属設備(取得原価300,000円、減価償却累計額300,000円)を廃棄した。必要な仕訳を示しなさい。

答え(借)減価償却累計額 300,000 /(貸)建物附属設備 300,000

考え方帳簿価額は300,000円-300,000円=0円である。すでに全額が減価償却されており、帳簿に残っている価額はないため、固定資産除却損は発生しない。したがって、減価償却累計額を借方で取り崩し、建物附属設備を貸方で消すだけでよい。

確かめ借方300,000円、貸方300,000円で一致する。帳簿価額が0円なので、固定資産除却損を入れない処理になっていることを確認する。

よくある間違い

取得原価の全額をそのまま固定資産除却損にしてしまう。

減価償却累計額を貸方に書いてしまい、取り崩しの向きを逆にする。

帳簿価額の計算で、取得原価から減価償却累計額を引き忘れる。

除却・廃棄なのに売却のような受取額を勝手に入れてしまう。

この講の用語

除却じょきゃく
使わなくなった有形固定資産を帳簿から外す処理をいう。
廃棄はいき
有形固定資産を捨てて使用不能にし、帳簿から外すことをいう。
帳簿価額ちょうぼかがく
固定資産について帳簿に残っている価額で、取得原価から減価償却累計額を差し引いた金額をいう。
減価償却累計額げんかしょうきゃくるいけいがく
これまでに計上してきた減価償却費の累計で、固定資産の価値の減少分を表す勘定科目である。
固定資産除却損こていしさんじょきゃくそん
除却や廃棄によって失われた帳簿価額を費用として処理する勘定科目である。

章立て

  1. 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
  2. 0:24中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
  3. 1:04重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
  4. 1:41基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
  5. 2:03判断手順問題を解くときの順番を確認します。
  6. 2:37例題1基本的な取引を確認します。
  7. 3:11例題2別の条件で判断を確認します。
  8. 4:14例題3計算または応用の判断を確認します。
  9. 5:18よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
  10. 6:21まとめ重要事項を一枚で整理します。

この講の確認問題

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