固定資産台帳
有形固定資産について、取得・減価償却・売却の各場面で固定資産台帳にどのように記入するかを学びます。台帳の役割、記入の流れ、金額の対応関係を整理し、仕訳と台帳記入を結び付けて確認します。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
取得、償却、売却などを固定資産台帳へ記入できる。
- 固定資産台帳の記入欄の意味を説明できる。
- 仕訳の内容と台帳記入の対応を確認できる。
- 取得原価・減価償却累計額・帳簿価額の関係を整理できる。
前提知識
- 有形固定資産の取得の基本仕訳
- 減価償却の基本仕訳
- 固定資産売却の基本仕訳
- 借方・貸方の基本的な見方
ひとつ前の講:有形固定資産の除却・廃棄
要点
- 固定資産台帳は、各固定資産の取得から処分までの推移を個別に記録する帳簿である。
- 取得時は取得日、内容、取得原価などを台帳に記入する。
- 減価償却時は当期の償却額を記入し、減価償却累計額と帳簿価額を更新する。
- 売却時は売却日や処分内容を記入し、売却時点の帳簿価額を確認する。
判断のルール
- 取得原価は固定資産を使える状態にするまでの金額として台帳に記入する。
- 帳簿価額は、取得原価から減価償却累計額を差し引いて求める。
- 減価償却を記入したら、累計額と帳簿価額を必ず更新する。
- 売却を記入する前に、売却時点までの帳簿価額を確認する。
例題
例題1例題1 取得時の固定資産台帳記入
4月1日に備品を現金240,000円で取得した。固定資産台帳にどのように記入するか。必要に応じて取得時の仕訳も示しなさい。
答え仕訳:借方 備品240,000/貸方 現金240,000。固定資産台帳には、取得日4月1日、資産名備品、取得原価240,000円、減価償却累計額0円、帳簿価額240,000円と記入する。
考え方取得時は、固定資産が増加するため借方に備品、支払手段の減少として貸方に現金を記録する。台帳では取得が出発点なので、まず取得原価を記入する。この時点ではまだ減価償却していないため、減価償却累計額は0円であり、帳簿価額は取得原価と同額の240,000円になる。
確かめ帳簿価額の確認は、240,000円-0円=240,000円。取得原価と帳簿価額が一致していれば正しい。
例題2例題2 減価償却時の固定資産台帳記入
取得原価300,000円の車両運搬具について、前期までの減価償却累計額は90,000円である。当期の減価償却額30,000円を計上した。固定資産台帳にどのように記入するか。必要に応じて減価償却時の仕訳も示しなさい。
答え仕訳:借方 減価償却費30,000/貸方 減価償却累計額30,000。固定資産台帳には、当期減価償却額30,000円を記入し、減価償却累計額を120,000円に更新し、帳簿価額を180,000円と記入する。
考え方当期の減価償却額30,000円は、これまでの累計額90,000円に加算されるので、新しい減価償却累計額は120,000円となる。帳簿価額は取得原価300,000円から減価償却累計額120,000円を差し引いて求めるため、180,000円である。固定資産台帳では、当期の償却額だけでなく、累計額と帳簿価額の更新が必要である。
確かめ計算確認は、90,000円+30,000円=120,000円、300,000円-120,000円=180,000円。両方合えば正しい。
例題3例題3 売却時の固定資産台帳記入
機械を売却した。売却時点で固定資産台帳には、取得原価500,000円、減価償却累計額320,000円とある。売却代金は現金190,000円で受け取った。固定資産台帳にどのように記入するか。必要に応じて売却時の仕訳も示しなさい。
答え帳簿価額は180,000円である。仕訳:借方 現金190,000、減価償却累計額320,000/貸方 機械500,000、固定資産売却益10,000。固定資産台帳には、売却日、売却の事実、売却時帳簿価額180,000円を確認できるように記入し、当該資産が処分済みであることを示す。
考え方まず台帳から帳簿価額を求める。取得原価500,000円-減価償却累計額320,000円=180,000円である。売却代金190,000円は帳簿価額180,000円より10,000円多いので、売却益10,000円となる。台帳では、売却代金そのものだけを見るのではなく、処分時点の帳簿価額を基準にして売却を記録することが大切である。
確かめ帳簿価額は500,000円-320,000円=180,000円。仕訳の貸借確認は、借方190,000円+320,000円=510,000円、貸方500,000円+10,000円=510,000円で一致する。
よくある間違い
取得原価と帳簿価額を同じものとして扱ってしまう。
減価償却額を記入しても、減価償却累計額や帳簿価額を更新しない。
売却時に、売却代金だけを見て台帳の帳簿価額を確認しない。
総勘定元帳の残高と固定資産台帳の個別記録の役割を混同する。
この講の用語
- 固定資産台帳こていしさんだいちょう
- 有形固定資産ごとに、取得、減価償却、売却などの経過を記録する帳簿です。
- 取得原価しゅとくげんか
- 固定資産を取得し、使用できる状態にするまでにかかった金額です。
- 減価償却累計額げんかしょうきゃくるいけいがく
- これまでに計上した減価償却費の合計額です。
- 帳簿価額ちょうぼかがく
- 取得原価から減価償却累計額を差し引いた、台帳上の残りの価額です。
章立て
- 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
- 0:23中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
- 1:16重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
- 1:59基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
- 2:32判断手順問題を解くときの順番を確認します。
- 3:02例題1基本的な取引を確認します。
- 3:26例題2別の条件で判断を確認します。
- 4:42例題3計算または応用の判断を確認します。
- 5:58よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
- 7:36まとめ重要事項を一枚で整理します。
この講の確認問題
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