有形固定資産会員向け6:47

定額法による減価償却

この講義では、有形固定資産の減価償却のうち、定額法だけにしぼって学びます。取得価額、残存価額、耐用年数の3つの要素から、毎期の減価償却費を正しく計算できるようになることが目的です。仕訳は計算結果を確認するための基本形にとどめ、他の償却方法や詳細な決算整理の論点には立ち入りません。

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この講で分かるようになること

取得価額、残存価額、耐用年数から減価償却費を計算できる。

  • 定額法で毎期の減価償却費が一定になる意味を説明できる。
  • 取得価額・残存価額・耐用年数を式に正しく当てはめられる。
  • 計算した減価償却費について基本的な仕訳の形を確認できる。

前提知識

  • 有形固定資産の取得価額の意味
  • 費用と資産の区別
  • 借方・貸方の基本

要点

  1. 定額法では、毎期の減価償却費は同額になる。
  2. 計算式は「(取得価額-残存価額)÷耐用年数」である。
  3. 残存価額は、最後まで費用化しない見込み額として差し引く。
  4. 耐用年数は年数で考え、1年あたりの金額を求める。

判断のルール

  • 定額法の減価償却費 = (取得価額-残存価額)÷耐用年数
  • 取得価額から残存価額を先に引いて、償却対象額を求める。
  • 定額法では、特別な条件がなければ毎年同じ金額を費用とする。
  • 基本仕訳の形は「減価償却費」を借方に計上する。

例題

例題1例題1 基本の計算

備品の取得価額が240,000円、残存価額が40,000円、耐用年数が5年である。定額法による1年分の減価償却費を求めなさい。あわせて基本的な仕訳の形を示しなさい。

答え1年分の減価償却費は40,000円。基本的な仕訳の形は、(借)減価償却費 40,000円 / (貸)減価償却累計額 40,000円。

考え方定額法の式は(取得価額-残存価額)÷耐用年数である。したがって、(240,000円-40,000円)÷5年=200,000円÷5年=40,000円となる。減価償却費は費用なので借方に記入する。

確かめ毎年40,000円を5年計上すると合計は200,000円。これは取得価額240,000円から残存価額40,000円を引いた金額と一致するので正しい。

例題2例題2 残存価額を引く確認

機械の取得価額が510,000円、残存価額が30,000円、耐用年数が8年である。定額法による1年分の減価償却費を求めなさい。あわせて基本的な仕訳の形を示しなさい。

答え1年分の減価償却費は60,000円。基本的な仕訳の形は、(借)減価償却費 60,000円 / (貸)減価償却累計額 60,000円。

考え方まず償却対象額を求める。510,000円-30,000円=480,000円。これを耐用年数8年で割ると、480,000円÷8年=60,000円となる。残存価額は最後に残す見込み額なので、先に差し引く必要がある。

確かめ60,000円×8年=480,000円で、償却対象額と一致する。もし510,000円をそのまま8で割ると63,750円となり誤りなので、残存価額を引いているか確認できる。

例題3例題3 数字が細かい場合の計算

車両運搬具の取得価額が365,000円、残存価額が5,000円、耐用年数が6年である。定額法による1年分の減価償却費を求めなさい。あわせて基本的な仕訳の形を示しなさい。

答え1年分の減価償却費は60,000円。基本的な仕訳の形は、(借)減価償却費 60,000円 / (貸)減価償却累計額 60,000円。

考え方定額法により、(365,000円-5,000円)÷6年=360,000円÷6年=60,000円となる。取得価額から残存価額を引いたあとで耐用年数で割るのが正しい順序である。

確かめ60,000円を6年分合計すると360,000円となり、取得価額365,000円から残存価額5,000円を引いた金額に一致する。計算は整合している。

よくある間違い

取得価額をそのまま耐用年数で割り、残存価額を引き忘れる。

残存価額を足してしまう。

耐用年数で割る前に計算の順序を誤る。

定額法なのに毎年の減価償却費が変わると考えてしまう。

この講の用語

減価償却げんかしょうきゃく
固定資産の価値の減少分を、使用する期間にわたって費用として配分すること。
定額法ていがくほう
減価償却費を各期に同じ金額で計上する方法。
取得価額しゅとくかがく
固定資産を手に入れるためにかかった金額で、計算の出発点となる金額。
残存価額ざんぞんかがく
耐用年数の終わりに残ると見込まれる価額で、減価償却費の計算では取得価額から差し引く金額。
耐用年数たいようねんすう
その固定資産を使用すると見込まれる年数で、減価償却費を配分する期間。

章立て

  1. 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
  2. 0:20中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
  3. 1:00重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
  4. 1:32基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
  5. 1:52判断手順問題を解くときの順番を確認します。
  6. 2:16例題1基本的な取引を確認します。
  7. 2:39例題2別の条件で判断を確認します。
  8. 3:46例題3計算または応用の判断を確認します。
  9. 4:55よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
  10. 6:05まとめ重要事項を一枚で整理します。

この講の確認問題

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