有形固定資産会員向け7:34

減価償却と間接法

この講義では、有形固定資産の減価償却について、なぜ毎期費用配分を行うのかを確認し、間接法による基本的な仕訳を作成できるようにします。減価償却累計額を用いる考え方、記帳の形、金額の確かめ方を、3級の公式範囲にしぼって学びます。

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この講で分かるようになること

減価償却の目的を説明し、減価償却累計額を使う仕訳を作れる。

  • 取得原価と帳簿価額の関係を説明できる。
  • 減価償却費と減価償却累計額の役割の違いを区別できる。
  • 定額法による基本的な減価償却額を落ち着いて計算できる。

前提知識

  • 有形固定資産の取得原価の基本
  • 借方・貸方の記入方法
  • 費用と資産の違い

要点

  1. 減価償却は、固定資産の取得原価を使用期間にわたって費用配分する手続である。
  2. 間接法では、資産勘定そのものは減らさず、減価償却累計額を別に記録する。
  3. 仕訳は借方に減価償却費、貸方に減価償却累計額を記入する。
  4. 帳簿価額は、取得原価から減価償却累計額を差し引いて考える。

判断のルール

  • 間接法の基本仕訳は「借方:減価償却費/貸方:減価償却累計額」である。
  • 減価償却累計額は、有形固定資産に対する評価勘定として累積していく。
  • 減価償却の計算では、問題文で与えられた取得原価、耐用年数、残存価額などの条件を確認する。
  • 本講では、減価償却の目的と間接法の基本処理に集中する。

例題

例題1例題1:備品の1年分の減価償却

備品の取得原価は120,000円、耐用年数は4年、残存価額は0円とする。決算にあたり、定額法で1年分の減価償却を間接法で記帳しなさい。

答え(借)減価償却費 30,000円 / (貸)減価償却累計額 30,000円

考え方定額法なので、毎期の減価償却額は(取得原価120,000円-残存価額0円)÷4年=30,000円です。間接法では、費用である減価償却費を借方、減価償却累計額を貸方に記入します。

確かめ借方30,000円、貸方30,000円で一致しています。取得原価120,000円に対し、1年後の帳簿価額は120,000円-30,000円=90,000円です。

例題2例題2:建物の残存価額ありの減価償却

建物の取得原価は500,000円、耐用年数は5年、残存価額は50,000円である。決算日において、当期の減価償却額を定額法で計算し、間接法で仕訳しなさい。

答え(借)減価償却費 90,000円 / (貸)減価償却累計額 90,000円

考え方減価償却の対象となる金額は、取得原価500,000円から残存価額50,000円を差し引いた450,000円です。これを5年で配分するので、450,000円÷5年=90,000円となります。間接法のため、建物勘定は直接減らさず、減価償却累計額を使います。

確かめ借方と貸方はともに90,000円で一致しています。1年後の帳簿価額は500,000円-90,000円=410,000円です。

例題3例題3:2年目終了時の減価償却累計額を意識する問題

車両の取得原価は240,000円、耐用年数は4年、残存価額は0円である。前期までに1年分の減価償却をすでに記帳している。当期末に2年目の減価償却を間接法で仕訳しなさい。

答え(借)減価償却費 60,000円 / (貸)減価償却累計額 60,000円

考え方毎期の減価償却額は(240,000円-0円)÷4年=60,000円です。前期に1年分を記帳済みでも、当期に計上するのは当期分の60,000円です。累計額は勘定の中で積み上がりますが、仕訳そのものは当期分を記入します。

確かめ借方・貸方ともに60,000円で一致します。前期末の減価償却累計額60,000円に当期分60,000円が加わり、当期末の減価償却累計額は120,000円です。帳簿価額は240,000円-120,000円=120,000円になります。

よくある間違い

間接法なのに、固定資産勘定を直接減らしてしまう。

借方と貸方を逆にして、減価償却累計額を借方に記入してしまう。

減価償却費を資産の取得時の支出と同じように考えてしまう。

帳簿価額を求めるとき、取得原価に減価償却累計額を足してしまう。

この講の用語

減価償却げんかしょうきゃく
固定資産の取得原価を、使用する各期間に費用として配分すること。
間接法かんせつほう
固定資産の帳簿上の取得原価はそのまま残し、減価償却累計額を別勘定で記録する方法。
減価償却費げんかしょうきゃくひ
当期に配分される固定資産の費用。損益計算書に表れる費用勘定。
減価償却累計額げんかしょうきゃくるいけいがく
これまでに計上した減価償却費の累計額を示す勘定。間接法で用いる。
帳簿価額ちょうぼかがく
取得原価から減価償却累計額を差し引いた後の金額。

章立て

  1. 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
  2. 0:23中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
  3. 1:17重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
  4. 1:59基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
  5. 2:22判断手順問題を解くときの順番を確認します。
  6. 2:52例題1基本的な取引を確認します。
  7. 3:16例題2別の条件で判断を確認します。
  8. 4:16例題3計算または応用の判断を確認します。
  9. 5:18よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
  10. 6:40まとめ重要事項を一枚で整理します。

この講の確認問題

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