商品有高帳の基本
商品有高帳の基本として、商品の受入れ・払出し・残高を、数量と単価で整理して記録する考え方を学びます。仕入や売上そのものの仕訳ではなく、商品ごとの在庫の増減を表にまとめる点に注目し、受入欄・払出欄・残高欄の読み方と書き方を確認します。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
商品の受入れ、払出し、残高を数量と単価で記録できる。
- 商品有高帳が在庫の動きを整理する帳簿であると説明できる。
- 受入・払出・残高の3つの欄の関係を読み取れる。
- 数量と単価の記録から残っている商品の内容を確認できる。
前提知識
- 商品売買の基本的な仕訳がわかっていること。
- 仕入と売上によって商品が増減することを理解していること。
- 数量、単価、金額の関係を計算できること。
ひとつ前の講:売上帳の記入
要点
- 商品有高帳は、商品ごとの受入れ・払出し・残高を記録する帳簿である。
- 受入れでは数量と単価を記録し、残高を増やす。
- 払出しでは出ていった数量と単価を記録し、残高を減らす。
- 残高欄では、その時点で残っている数量と単価を確認する。
- 数量と単価をていねいに追うことが、記入ミス防止につながる。
判断のルール
- 同じ商品ごとに帳簿を分けて記録する。
- 受入れがあれば受入欄に、払出しがあれば払出欄に記入する。
- 記入のたびに残高欄を更新する。
- 数量の増減と単価の内容が残高と合っているか確認する。
例題
例題1例題1 受入れを記録する
文房具Aの商品有高帳について、月初残高は20個、単価300円であった。5日に文房具Aを15個、単価320円で受け入れた。商品有高帳ではどのように記録し、残高はどうなるか。
答え受入欄に15個、単価320円と記入する。残高は、月初残高20個に受入れ15個を加えて35個となる。残高の内容は、300円のものが20個、320円のものが15個である。
考え方この取引は商品が新たに入ってきているため、受入れである。したがって受入欄に数量15個、単価320円を記入する。残高数量は20個+15個=35個となる。商品有高帳では、残高の中身としてどの単価の商品が残っているかも確認するので、300円の20個と320円の15個が残っていると考える。
確かめ数量の確認は20個+15個=35個で正しい。受入れなので払出欄ではなく受入欄に書く。残高の内訳も20個と15個で合計35個になっている。
例題2例題2 払出しを記録する
ノートBの商品有高帳について、前日までの残高は50冊、単価200円であった。10日にノートBを18冊払い出した。商品有高帳ではどのように記録し、残高はどうなるか。
答え払出欄に18冊、単価200円と記入する。残高は50冊-18冊=32冊となり、単価200円のものが32冊残る。
考え方この取引は商品が外へ出ていくため、払出しである。残高は、もともとの50冊から18冊を引いて32冊になる。もとの残高がすべて単価200円であったので、払出しも200円として扱い、残高も200円の32冊となる。
確かめ数量の確認は50冊-18冊=32冊で正しい。払出しを受入欄に書いていないかを確認する。残った32冊の単価が200円でそろっており、不自然な点はない。
例題3例題3 受入れと払出しが続く場合
商品Cの商品有高帳について、月初残高は12個、単価500円であった。3日に8個を単価500円で受け入れ、6日に10個を払い出した。商品有高帳の記録と、6日後の残高を答えなさい。
答え3日は受入欄に8個、単価500円と記入する。この時点の残高は20個、単価500円である。6日は払出欄に10個、単価500円と記入する。6日後の残高は10個、単価500円である。
考え方最初の3日の取引は受入れなので、12個に8個を加えて残高は20個となる。今回は月初残高も受入れ分も単価500円なので、6日の払出しは単価500円で10個を記録できる。払出し後の残高は20個-10個=10個であり、残っている10個の単価は500円である。この例題では、先入先出法や移動平均法の選択は扱わない。
確かめ3日の後の数量は12個+8個=20個、6日の後は20個-10個=10個で一致している。受入れ・払出し・残高がすべて単価500円で記録されているため、この基本例題で先入先出法や移動平均法を前提にしていないことも確認できる。
よくある間違い
受入れと払出しを逆の欄に記入してしまう。
払出し後に残高欄を書きかえ忘れる。
数量だけを直して単価を書き忘れる。
商品ごとに分けず、別の商品を同じ帳簿に混ぜてしまう。
この講の用語
- 商品有高帳しょうひんありだかちょう
- 商品ごとに、受入れ・払出し・残高を数量や単価で記録する帳簿。
- 受入れうけいれ
- 商品が新たに入ってきて在庫が増えること。
- 払出しはらいだし
- 商品が売れたり使われたりして在庫が出ていくこと。
- 残高ざんだか
- ある時点で手元に残っている商品の数量や単価の内容。
- 単価たんか
- 商品1個または1単位あたりの金額。
章立て
- 0:00導入表紙。第30講のテーマと二人の講師を見せ、商品有高帳の基本学習に入る。
- 0:23商品有高帳とは導入概念。商品有高帳は商品ごとの在庫の動きを数量と単価で整理する帳簿であることを示す。
- 0:59三つの欄中心概念。受入欄・払出欄・残高欄の3欄と、受入れで増え払出しで減る流れを整理する。
- 1:34重要用語重要用語。5つの用語の意味を短く記憶できる形で配置する。
- 1:58基本ルール基本ルール。商品ごとに分ける、正しい欄に書く、残高更新、数量と単価の確認を示す。
- 2:20判断手順判断手順。商品確認→受入れか払出しか判断→数量と単価を記入→残高更新の順を示す。
- 2:44例題1 受入れを記録例題1。文房具Aの受入れ記録と残高35個、内訳300円20個・320円15個を示す。
- 4:14例題2 払出しを記録例題2。ノートBの払出し記録と残高32冊、単価200円を示す。
- 5:22例題3 受入れと払出し例題3。商品Cで受入れ後20個、払出し後10個、単価500円で一貫する流れを示す。
- 7:06よくある誤りとまとめ誤りとまとめ。4つの誤りと、商品ごとに数量と単価をていねいに追うという結論を整理する。
この講の確認問題
登録は1分・クレジットカード不要。無料のまま練習・暗記カード・模試まで使えます。
