先入先出法
商品有高帳で先入先出法を用いるときの考え方、払出単価の決め方、残高数量と残高金額の求め方を学びます。先に仕入れた商品から順に払い出したものとして、記入順にていねいに計算する方法を確認します。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
先に仕入れた商品から払い出したものとして払出単価と残高を計算できる。
- 商品有高帳の数量欄と金額欄を対応させて読めるようになる。
- 払出と残高を分けて落ち着いて計算する習慣を身につける。
- 計算後に数量と金額の整合を自分で確認できるようになる。
前提知識
- 商品有高帳の基本的な記入方法
- 商品売買で使う数量・単価・金額の関係
- 移動平均法ではなく、仕入ごとのまとまりを区別して考える見方
ひとつ前の講:商品有高帳の基本
要点
- 先入先出法では、先に仕入れた分から順に払い出したものと考える。
- 払出数量が1つの仕入れ分を超えるときは、次に古い仕入れ分へ順に移る。
- 残高は最後に残った仕入れ分の組み合わせとして把握する。
- 数量の流れを先に確定し、その後で金額を計算するとミスが減る。
判断のルール
- 払出は最も古い在庫から順に行う。
- 金額は数量×単価で計算する。
- 払出数量と残高数量の合計が、その時点までの受入数量の合計と一致するように確認する。
- 仕入ごとの単価を混ぜず、在庫のまとまりごとに区別して処理する。
例題
例題1例題1 一つの仕入れ分だけで払出せる場合
次の商品有高帳について、先入先出法で払出金額と残高金額を求めなさい。月初残高は40個、1個200円。3日に20個を払い出した。
答え払出金額は4,000円、残高は20個で4,000円です。
考え方先入先出法では、最も古い在庫から払い出します。この場合、在庫は月初残高40個だけです。したがって、払出20個はすべて1個200円で計算します。払出金額は20個×200円=4,000円です。残高は40個-20個=20個で、残高金額は20個×200円=4,000円です。関連する記録の見方としては、払出は商品の減少なので商品有高帳の払出欄に20個・4,000円、残高欄に20個・4,000円と整理します。
確かめ数量確認:40個-20個=20個で一致します。金額確認:もとの金額8,000円から払出4,000円を引くと残高4,000円で一致します。
例題2例題2 払出が次の仕入れ分にまたがる場合
次の商品有高帳について、先入先出法で払出金額と残高金額を求めなさい。月初残高は30個、1個100円。5日に50個を1個120円で仕入れ、8日に60個を払い出した。
答え払出金額は6,600円、残高は20個で2,400円です。
考え方先入先出法では月初残高30個が先に払い出されます。8日の払出60個のうち、まず月初残高30個を1個100円で払い出すので3,000円です。まだ30個足りないため、5日に仕入れた50個のうち30個を1個120円で払い出し、3,600円です。したがって払出金額は3,000円+3,600円=6,600円です。5日仕入分は50個のうち30個を使ったので20個残ります。残高金額は20個×120円=2,400円です。商品有高帳では、払出欄に60個・6,600円、残高欄に20個・2,400円となります。
確かめ数量確認:30個+50個-60個=20個で一致します。金額確認:受入までの総額9,000円から払出6,600円を引くと2,400円で一致します。
例題3例題3 複数回の受入後に払出す場合
次の商品有高帳について、先入先出法で払出金額と残高金額を求めなさい。月初残高は20個、1個90円。2日に40個を1個100円で仕入れ、6日に30個を1個110円で仕入れ、10日に70個を払い出した。
答え払出金額は6,900円、残高は20個で2,200円です。
考え方在庫の古い順に並べると、月初20個@90円、2日40個@100円、6日30個@110円です。10日の払出70個は、まず月初20個をすべて払い出すので20個×90円=1,800円です。残り50個は、次に古い2日仕入分40個をすべて払い出すので40個×100円=4,000円です。さらに10個足りないため、6日仕入分から10個を払い出し、10個×110円=1,100円です。よって払出金額は1,800円+4,000円+1,100円=6,900円です。6日仕入分30個のうち10個を使ったので20個残り、残高金額は20個×110円=2,200円です。商品有高帳では、払出欄に70個・6,900円、残高欄に20個・2,200円と記入する形になります。
確かめ数量確認:20個+40個+30個-70個=20個で一致します。金額確認:総額9,100円から払出6,900円を引くと2,200円で一致します。
よくある間違い
新しく仕入れた単価から先に払い出してしまう。
払出数量が古い在庫を超えたのに、次の仕入れ分へ移らず同じ単価で計算してしまう。
残高数量は合っているのに、残高金額で古い単価を混ぜてしまう。
数量の確認をせず、金額だけ合わせようとして計算が崩れる。
この講の用語
- 先入先出法さきいれさきだしほう
- 先に仕入れた商品から先に払い出したものとみなして、払出単価や残高金額を求める方法。
- 商品有高帳しょうひんありだかちょう
- 商品の受入、払出、残高を数量と金額で記録する帳簿。
- 払出はらいだし
- 販売などのために商品が在庫から出ていくこと。商品有高帳では出庫分として記録する。
- 受入うけいれ
- 仕入などによって商品が在庫に入ること。商品有高帳では入庫分として記録する。
- 残高ざんだか
- ある時点でまだ在庫として残っている数量と金額。
章立て
- 0:00導入人物表紙。第31講のテーマと学習目標を提示する。
- 0:17先入先出法導入概念。先入先出法の考え方と残高のイメージを示す。
- 0:47数量の流れを先に見る中心概念。数量の流れを先に確定し、古い仕入れ分から順に使うことを示す。
- 1:18重要用語重要用語。5つの用語の意味を短く整理する。
- 1:38基本ルール基本ルール4つを整理する。
- 1:56判断手順判断手順。解く順番を4段階で図示する。
- 2:19例題1 一つの仕入分だけで払出例題1。1つの在庫だけで払出せる場合の計算。
- 3:39例題2 払出が次の仕入分へまたがる例題2。払出が次の仕入れ分にまたがる場合の計算。
- 4:59例題3 複数回の受入後に払出例題3。複数回の受入後に払出す場合の計算。
- 6:40よくある誤りとまとめよくある誤りとまとめ。誤答パターンを避けるポイントを整理する。
この講の確認問題
登録は1分・クレジットカード不要。無料のまま練習・暗記カード・模試まで使えます。
