商品の売買会員向け8:37

移動平均法

商品有高帳における移動平均法の考え方を学びます。仕入れがあるたびに平均単価を更新し、その単価を使って払出額と残高を計算する流れを、順序立てて確認します。

移動平均法の表紙動画の視聴は会員向けです

この講で分かるようになること

仕入れの都度平均単価を更新し、払出額と残高を計算できる。

  • 商品有高帳の記入順序に慣れる。
  • 平均単価の更新前後を区別して考えられるようにする。
  • 払出数量と残高数量のつながりを確認できるようにする。

前提知識

  • 商品有高帳の基本的な見方
  • 商品の仕入れと払出しの数量・金額の関係
  • 平均単価、数量、金額の基本計算

要点

  1. 移動平均法では、仕入れの都度平均単価を更新する。
  2. 払出額は、その直前までの最新の平均単価で計算する。
  3. 残高金額は、残高数量に平均単価をかけて求める。
  4. 平均単価を更新するのは仕入れ時であり、払出し時ではない。

判断のルール

  • 新しい平均単価 = (前残高金額 + 仕入金額) ÷ (前残高数量 + 仕入数量)
  • 払出額 = 払出数量 × その時点の平均単価
  • 払出しの後は、数量と金額を残高から差し引く。
  • 仕入れがない限り、平均単価は変わらない。

例題

例題1例題1 1回の仕入れ後に払出す場合

商品の前残高は30個、単価200円、金額6,000円である。その後、20個を単価230円で仕入れ、続いて25個を払い出した。移動平均法により、平均単価、払出額、残高数量、残高金額を求めなさい。

答え平均単価は212円、払出額は5,300円、残高数量は25個、残高金額は5,300円。

考え方まず仕入れ時に平均単価を更新する。前残高数量30個と仕入数量20個で合計50個、前残高金額6,000円と仕入金額4,600円で合計10,600円となる。したがって平均単価は10,600円÷50個=212円。次に払出額は25個×212円=5,300円。払出後の残高数量は50個-25個=25個、残高金額は10,600円-5,300円=5,300円。

確かめ残高金額5,300円は、残高数量25個×平均単価212円=5,300円とも一致する。数量・金額とも整合している。

例題2例題2 払出しの後に再度仕入れる場合

商品の前残高は40個、単価150円、金額6,000円である。まず10個を払い出し、その後30個を単価180円で仕入れた。移動平均法により、最初の払出額と、仕入れ後の新しい平均単価および残高金額を求めなさい。

答え最初の払出額は1,500円、仕入れ後の新しい平均単価は165円、残高金額は9,900円。

考え方最初は仕入れがないので平均単価150円のまま払出しを行う。したがって払出額は10個×150円=1,500円。払出後の残高は30個、金額4,500円。次に30個を単価180円で仕入れるので、仕入金額は5,400円。これを残高に加えると数量は60個、金額は9,900円となる。したがって新しい平均単価は9,900円÷60個=165円。よって仕入れ後の残高金額は9,900円である。

確かめ払出し後残高30個・4,500円は150円で一致する。その後の合計は30個+30個=60個、4,500円+5,400円=9,900円である。新平均単価は165円なので、60個×165円=9,900円となり確認できる。

例題3例題3 仕入れが2回ある場合

商品の前残高は20個、単価300円、金額6,000円である。次の取引があった。①10個を単価330円で仕入れた。②15個を払い出した。③20個を単価352円で仕入れた。移動平均法により、各時点の平均単価と最後の残高数量・残高金額を求めなさい。

答え①後の平均単価は310円、②の払出額は4,650円、③後の平均単価は334円、最後の残高数量は35個、残高金額は11,690円。

考え方①では前残高20個・6,000円に、仕入10個・3,300円を加えるので、合計30個・9,300円。したがって平均単価は9,300円÷30個=310円。②ではこの310円を使って払出額を求めるので、15個×310円=4,650円。払出後の残高は15個、9,300円-4,650円=4,650円。③ではこの残高15個・4,650円に、仕入20個・7,040円を加えるので、合計35個・11,690円。したがって新しい平均単価は11,690円÷35個=334円。最後の残高金額は11,690円である。

確かめ①後は30個×310円=9,300円で一致する。②後は15個×310円=4,650円で一致する。③後は35個×334円=11,690円であり、増減の流れと一致する。

よくある間違い

払出しのたびに平均単価を更新してしまう。

仕入数量だけで割ってしまい、前残高数量を入れ忘れる。

払出額に古い平均単価を使ってしまう。

残高金額を、前残高金額から払出額を引かずに計算してしまう。

この講の用語

移動平均法いどうへいきんほう
商品を仕入れるたびに平均単価を計算し直し、その単価で払出額を求める方法。
商品有高帳しょうひんありだかちょう
商品の受入れ、払出し、残高を数量と金額で記録する帳簿。
平均単価へいきんたんか
残っている商品の合計金額を合計数量で割って求める1個あたりの金額。
払出額はらいだしがく
払い出した商品の数量に平均単価をかけて求める金額。
残高ざんだか
ある時点で手元に残っている商品の数量と金額。

章立て

  1. 0:00導入表紙。第32講の題名と二人の講師を配置し、学習テーマが移動平均法であることを示す。
  2. 0:17移動平均法導入概念。移動平均法の基本的な考え方と、取引を発生順に追う重要性を示す。
  3. 0:53平均単価の更新中心概念。平均単価の更新式、払出額、払出し時には単価が変わらないことを図で整理する。
  4. 1:30重要用語重要用語。移動平均法、商品有高帳、平均単価、払出額、残高を短く整理する。
  5. 1:47基本ルール基本ルール。4つの規則を見出しと短いラベルで整理する。
  6. 2:13判断手順判断手順。前残高確認から仕入れ・払出し判定、最後の確認までを順序で示す。
  7. 2:47例題1 一回の仕入後に払出例題1。1回の仕入れ後に払出す場合の数量・金額・答えを段階的に示す。
  8. 4:21例題2 払出後に再度仕入例題2。先に払出し、後で仕入れる場合の流れと答えを示す。
  9. 5:50例題3 仕入が二回ある場合例題3。仕入れが2回ある場合の各時点の平均単価、払出額、最後の残高を示す。
  10. 7:51よくある誤りとまとめよくある誤りとまとめ。誤り4点と、仕入れで更新・払出しで使用の結論を示す。

この講の確認問題

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