その他の債権・債務会員向け6:55

立替金

この講義では、従業員などに代わって一時的に支払った金額を立替金として処理する基本を学びます。立替金の意味、使う場面、仕訳の形、回収時の考え方を、公式範囲の基本にしぼって確認します。

立替金の表紙動画の視聴は会員向けです

この講で分かるようになること

従業員などに代わって支払った金額を立替金で処理できる。

  • 立替金が資産の勘定科目であることを説明できる。
  • 立替金が発生したときと回収したときの借方・貸方を整理できる。
  • 仮払金など名称の似た勘定科目と混同しないようにできる。

前提知識

  • 仕訳の基本構造
  • 資産・負債・費用・収益の区別
  • 現金勘定の増減の記入方法

要点

  1. 立替金は、他人が負担すべき金額を一時的にこちらが支払ったときの資産である。
  2. 立替金が発生したときは、立替金を借方に記入する。
  3. 現金で支払ったなら、支払手段として現金を貸方に記入する。
  4. 後日回収したときは、受け取った現金を借方、立替金を貸方に記入する。

判断のルール

  • 自分の費用ではなく、相手に代わって支払った金額なら立替金で処理する。
  • 立替金は将来返してもらう権利なので資産に分類する。
  • 発生時は立替金の増加、回収時は立替金の減少として考える。
  • 誰のために立て替えたのかを問題文から丁寧に読み取る。

例題

例題1例題1 現金で従業員の負担分を立て替えた

会社は、従業員が負担すべき交通費3,200円を現金で代わって支払った。仕訳を示しなさい。

答え借方:立替金 3,200円/貸方:現金 3,200円

考え方この3,200円は会社自身の費用ではなく、従業員に代わって支払った金額です。後で返してもらう権利が発生するため、資産である立替金が増加します。資産の増加は借方です。支払った現金は減少するので、現金は貸方に記入します。

確かめ借方合計3,200円、貸方合計3,200円で一致しています。会社の費用ではなく、返してもらう権利として処理できているかを確認します。

例題2例題2 立て替えた金額を後日現金で回収した

先に従業員に代わって支払っていた立替金3,200円について、本日、従業員から現金で全額を受け取った。仕訳を示しなさい。

答え借方:現金 3,200円/貸方:立替金 3,200円

考え方現金を受け取ったので現金が増加します。資産の増加だから借方です。一方、返してもらうことで立替金は消えるので、立替金は減少します。資産の減少は貸方です。したがって、現金を借方、立替金を貸方に記入します。

確かめ借方合計3,200円、貸方合計3,200円で一致しています。回収時は発生時と逆向きになることも確認します。

例題3例題3 複数の支出内容でも本人負担なら立替金

会社は、従業員が個人的に負担すべき書籍代1,500円と私用の配送料700円、合計2,200円を現金で代わって支払った。仕訳を示しなさい。

答え借方:立替金 2,200円/貸方:現金 2,200円

考え方支出の内容が書籍代と配送料に分かれていても、どちらも従業員本人が負担すべき金額です。会社の費用ではなく、代わって支払っただけなので、合計額2,200円を立替金として処理します。現金は支払いにより減少するため貸方です。計算は1,500円+700円=2,200円です。

確かめ借方合計2,200円、貸方合計2,200円で一致しています。内容が複数でも、本人負担分の合計を立替金にまとめている点を確認します。

よくある間違い

従業員のために支払ったのに、自社の費用として処理してしまう。

立替金を負債と考えて貸方に記入してしまう。

回収時に現金と立替金の借方・貸方を逆にしてしまう。

問題文の『代わって支払った』という意味を見落としてしまう。

この講の用語

立替金たてかえきん
従業員などに代わって一時的に支払った金額を記録する資産の勘定科目。後で返してもらう前提の金額を表す。
資産しさん
将来、現金の受取りなどの利益につながるもの。立替金は返してもらう権利なので資産に含まれる。
借方かりかた
仕訳の左側。資産が増えるときなどに記入する。立替金の発生時には借方に記入する。
貸方かしかた
仕訳の右側。資産が減るときなどに記入する。立替金の回収時には貸方に記入する。

章立て

  1. 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
  2. 0:19中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
  3. 1:01重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
  4. 1:34基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
  5. 1:57判断手順問題を解くときの順番を確認します。
  6. 2:29例題1基本的な取引を確認します。
  7. 2:55例題2別の条件で判断を確認します。
  8. 3:53例題3計算または応用の判断を確認します。
  9. 4:50よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
  10. 6:06まとめ重要事項を一枚で整理します。

この講の確認問題

日商簿記3級の学習を続ける

講義・過去問・暗記カード・模試まで、同じ論点でつながっています。

登録は1分・クレジットカード不要。無料のまま練習・暗記カード・模試まで使えます。

「その他の債権・債務」の他の講

日商簿記3級の講義一覧をすべて見る