預り金
この講義では、給与から控除した税金や保険料などを「預り金」で処理する基本を学びます。預り金が会社の費用ではなく、一時的に預かっている債務であることを確認し、仕訳で正しく表せるようになることを目標にします。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
給与から控除した税金や保険料などを預り金で処理できる。
- 預り金が負債である理由を説明できる。
- 給与支払時に控除額と差引支給額の関係を整理できる。
- 現金払いと当座預金払いのどちらでも基本の考え方が同じだと理解できる。
前提知識
- 借方・貸方の基本
- 費用・負債・資産の増減の考え方
- 現金や当座預金を用いた基本的な仕訳
ひとつ前の講:立替金
要点
- 給与から控除した税金や保険料は、会社自身の費用ではなく預り金で処理する。
- 預り金は一時的に預かっている金額なので負債として記録する。
- 給与支払時は、給料の総額を費用にし、控除額を預り金、差引支給額を現金または当座預金で処理する。
- 差引支給額は、給料の総額から控除額を引いて求める。
判断のルール
- 給与の総額は借方に給料で記入する。
- 従業員から控除した税金や保険料は貸方に預り金で記入する。
- 実際に支払った差引支給額は貸方に現金または当座預金で記入する。
- 借方合計と貸方合計が必ず一致するように確認する。
例題
例題1例題1 現金で差引支給した場合
従業員への給料総額180,000円を支給するにあたり、税金12,000円と保険料18,000円を控除し、残額を現金で支払った。仕訳を示しなさい。
答え(借)給料 180,000 /(貸)預り金 30,000、現金 150,000
考え方給料は総額で費用計上するので借方は給料180,000円です。控除額は税金12,000円と保険料18,000円の合計30,000円で、会社が一時的に預かるため貸方の預り金にします。差引支給額は180,000円−30,000円=150,000円なので、貸方は現金150,000円です。
確かめ借方合計180,000円、貸方合計は預り金30,000円+現金150,000円=180,000円で一致しています。
例題2例題2 当座預金から支払った場合
給料総額250,000円について、税金15,000円、保険料25,000円を控除し、差引支給額を当座預金から支払った。仕訳を示しなさい。
答え(借)給料 250,000 /(貸)預り金 40,000、当座預金 210,000
考え方給与の総額250,000円が費用なので、借方は給料250,000円です。控除額の合計は15,000円+25,000円=40,000円で、これは預り金として貸方に計上します。差引支給額は250,000円−40,000円=210,000円なので、貸方は当座預金210,000円です。
確かめ借方250,000円に対し、貸方は預り金40,000円+当座預金210,000円=250,000円で一致します。差引支給額の計算も正しいです。
例題3例題3 控除項目が複数ある場合
従業員に対する給料総額320,000円から、税金20,000円、保険料28,000円、その他の控除7,000円を差し引き、残額を現金で支払った。控除した金額はすべて預り金として処理するものとする。仕訳を示しなさい。
答え(借)給料 320,000 /(貸)預り金 55,000、現金 265,000
考え方給料は総額で処理するので借方は給料320,000円です。控除額は20,000円+28,000円+7,000円=55,000円で、いずれも会社が一時的に預かる金額なので貸方の預り金にまとめます。差引支給額は320,000円−55,000円=265,000円であるため、貸方は現金265,000円です。
確かめ貸方合計は預り金55,000円+現金265,000円=320,000円で、借方の給料320,000円と一致します。総額−控除額=支払額の関係も確認できます。
よくある間違い
控除した税金や保険料を給料のマイナスとして処理してしまう。
預り金を借方に書いてしまい、負債の増加を逆にしてしまう。
差引支給額ではなく給与総額を現金や当座預金の支払額にしてしまう。
給料の総額、控除額、差引支給額の関係を確認せず金額を誤る。
この講の用語
- 預り金あずかりきん
- 会社が一時的に預かっている金額を表す負債の勘定科目です。給与から控除した税金や保険料などを処理します。
- 給料きゅうりょう
- 従業員に対して支払う対価を表す費用の勘定科目です。給与の総額で処理します。
- 差引支給額さしひきしきゅうがく
- 給与の総額から、税金や保険料などの控除額を差し引いた、実際に従業員へ支払う金額です。
- 控除こうじょ
- 一定の金額を全体から差し引くことです。給与では税金や保険料などを差し引きます。
章立て
- 0:00導入この知識ポイントで判断できるようになることを確認します。
- 0:16中心概念取引の意味と基本的な考え方を整理します。
- 0:53重要用語問題文で意味を取り違えやすい用語を確認します。
- 1:26基本ルール仕訳や計算で使う規則を整理します。
- 1:46判断手順問題を解くときの順番を確認します。
- 2:15例題1基本的な取引を確認します。
- 2:31例題2別の条件で判断を確認します。
- 3:38例題3計算または応用の判断を確認します。
- 4:42よくある誤り誤りやすい考え方を修正します。
- 6:04まとめ重要事項を一枚で整理します。
この講の確認問題
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